1997 Fiscal Year Annual Research Report
強度の遮光によるファレノプシスの花成制御機構の解明
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09760030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片岡 圭子 京都大学, 農学部, 助手 (80204816)
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Keywords | ファレノプシス / 花成制御 / 遮光 / ショ糖 / HPLC |
Research Abstract |
本研究の目的は、ファレノプシスの遮光による開花遅延現象の詳細を明らかにし、葉中糖濃度の変化の点から、開花生態の基礎的知見を得ることにあり、今年度は、葉からの糖の抽出、分析方法を検討し、試料採取位置について比較した。 試料の分析はHPLCを用い、PI検出器で測定した。イオン交換樹脂の小型カートリッジによる前処理が有効で、1cm^2のリ-フディスクの糖濃度を測定できることが明かとなった。また、葉脈に対して対称の位置のリ-フディスクの糖含量を測定・比較したところ、葉面積あたりのシュークロース含量で、左右の差は0.02-0.5%になった。葉の中央部でのばらつきは小さく、ほぼ同じ値となった。葉位についてみると、展開中の若い葉ではシュークロースが少なく、完全展開葉、成熟葉では多いこと、成熟葉では葉内のばらつきが少ないことが明かとなった。以上より、以降の実験では、最上位から2葉または3葉目の成熟葉中央から試料を採取することが適当であると考えられた。 成熟株を供試し、5週間の強遮光処理を行い、遮光期間中及び処理終了後の葉中シュークロース量の変化を測定した。強遮光処理開始後3日目で、シュークロースはほぼ半減し、2週間目で約20分の1に減少した。処理終了後4日目では、増加したが、対照区に比較して有意に少なかった。終了後2週間目では、有意な差は認められなくなった。 成熟葉の右半分をアルミフォイルで覆い、2日目、16日目のシュークロース量を,被覆していない左半分と比較したところ、有意な差は認められなくなった。 強遮光処理期間の長さが開花に及ぼす影響について、検討した。10月3日から6週間、12週間及び20週間、強遮光(遮光率95%)処理を行い、開花について調査した。ほぼ処理期間分、開花は遅延したが、開花時の小花数、花径、花茎長などの形質に影響は認められなかった。
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