1997 Fiscal Year Annual Research Report
in vitro及び圃場レベルでのrejuvenationを利用したカキの栄養繁殖
Project/Area Number |
09760031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鉄村 琢哉 京都大学, 農学部, 助手 (00227498)
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Keywords | カキ / in vitro / rejuvenation / 根 / 縁枝挿し / 休眠枝挿し / ミスト装置 / 黄化処理 |
Research Abstract |
I)in vitroでの実験:(1)根から分化したシュートの発根力が継代回数の増加によってどのように変化するのか調べ、一度獲得したrejuvenationの状態がどのように変化するのかを調査した。[結果]継代回数6回目までは、非常に高い発根力を維持し、rejuvenationの状態は保たれていることが示唆された。(2)根から不定芽発生→再生シュートの獲得→発根処理→根の獲得を繰り返し、再分化操作を繰り返すことによって、rejuvenationの程度がどのように変化するのか調査した。[結果]13回の繰り返し操作においても、シュートの発根力は変わらず、rejuvenationの程度は変化しないことが示唆された。(3)葉から分化したシュートが、根から分化したシュートと同様の発根力を持つかどうか調査した。[結果]茎頂由来のシュートと根から分化したシュートのほぼ中間の発根力を示した。 II)圃場レベルでの実験:成木、幼木、茎頂培養由来の木、茎頂培養由来の木の根から発生したひこばえ及び台木の根のひこばえを材料として以下の実験に供試した。(1)温度及び湿度制御室内(グロースキャビネット)あるいはミスト装置内での縁枝挿しを行った(6〜11月)。[結果]グロースキャビネット内での挿し穂の発根率は低かったものの、ミスト装置内の挿し穂は非常に高い発根率を示した。また、時期、クローン、さし穂の由来及びさし穂の調整方法による発根率の差が見られた。(2)温床を使用して休眠枝挿しを行なった(12月〜3月)。[結果]ひこばえに黄化処理を行い、温床上で挿し木した結果、高い発根率が得られた。このことは、カキにおいて始めて、休眠枝挿しによる繁殖の可能性を示している。
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