1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 啓仁 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80282698)
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Keywords | 鉄欠乏 / オオムギ / イネ / 遺伝子導入植物 / ムギネ酸 / パーティクルガン |
Research Abstract |
既に得られている鉄欠乏条件下で強く発現するオオムギの遺伝子(Ids3)の機能解析を目標としました.Ids3遺伝子はそのコードするアミノ酸配列や発現の特異性よりムギネ酸生合成経路に関わる可能性が高いと考えられました.そこでこの遺伝子パーティクルガン装置を用いてイネに導入し,形質転換イネの作成を目指しました.また,Ids3の5'上流領域の鉄欠乏特異的発現を引き起こすシスエレメントの検索も目指しました.Ids3遺伝子をイネでの発現用のプラミドに挿入し(イネアクチンプロモーターとの融合遺伝子),これをパーティクルガン装置を用いてイネの胚盤組織へ遺伝子導入をおこないました.この際に薬剤耐性(除草剤ビアラフォス耐性)遺伝子のプラスミドと同時に導入し,薬剤(ビアラフォス)を用いた耐性カルスの選抜までを平成9年度におこないました.平成10年度には,PCRでの導入遺伝子の確認,再分化後,再生個体を得ます.得られた再分化個体を鉄欠乏条件で栽培し,このイネの放出するムギネ酸類を測定することでこの遺伝子がムギネ酸合成酵素遺伝子であるかどうかの検定を行います.Ids3遺伝子の5'上流領域の鉄欠乏特異発現を引き起すシスエレメントの検索として,Ids3の5'上流領域とレポーター遺伝子であるGFP(Green Fluorescent Protein)遺伝子との融合遺伝子を作成しました.先と同じように形質転換イネの作成をおこないました.現在,上と同様に再分化個体を得ている途中です.平成10年度に,ここで得られたイネを鉄欠乏処理,コントロール処理(通常培養条件)で栽培し,GFPタンパク質の発現を観察してIds3遺伝子の5'上流領域の鉄欠乏特異発現を引き起すシスエレメントの検索を行います.
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