1997 Fiscal Year Annual Research Report
MALDI-TOF/MS及びNMRによる蛍光標識糖鎖の構造解析
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09760068
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 滋樹 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (90230739)
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Keywords | オリゴ糖 / MALDI-TOF / MS / ポリアクリルアミド電気泳動 |
Research Abstract |
本研究は,糖鎖の分析法として開発された蛍光標識ポリアクリルアミド電気泳動法(PAGEFS)、レーザー脱離法飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF/MS)及びNMRを用いて簡便に糖鎖構造を解析する方法の確立を目的としている。このうち特に今年度は、(1)分取型電気泳動装置を用いて蛍光標識糖の調製する場合のスケールアップファクター(ゲル濃度、ゲルサイズ、泳動条件等)の確立、(2)MALDI-TOF/MSでの蛍光標識糖の分析条件(特にマトリックス)の最適化、について検討を行った。 (1)分取用電気泳動装置を用いた蛍光標識糖の調製 まずマルトオリゴ糖(DP1〜15)を用い、蛍光標識剤で標識した後、ゲル厚1mmの分析用スラブゲル電気泳動装置および分取用電気泳動装置で分離し、そして両装置間での、アクリルアミドゲル濃度、泳動距離(ゲル長)、電圧などの泳動条件を比較検討した。その結果、分取用装置を用いた場合、サンプル量が少量(10nmol以下)であれば分析用装置の半分のゲル長で十分分離可能であり、また、サンプル量が多い場合は、ゲル長を長くするよりもゲル濃度を高くする方がより良好な結果が得られた。次いで、既に調製済みの各種糖鎖についても検討したスケールアップファクターを参考にして、分取用電気泳動装置を用い蛍光標識糖を調製した。 (2)MALDI-TOF/MSでの蛍光標識糖の分析条件の最適化 まず前項(1)で調製した蛍光標識マルトオリゴ糖について、MALDI-TOF/MSの測定時におけるマトリクスの検討をVoyager^<TM>を用いて行った。その結果、1%2,5-dihydroxybenzoic acidの10%エタノール溶液を用いた場合、良好な分析結果が得られることが明らかとなった。また、他のマトリックスとして2,4,6-trihydroxyacetophenoneについても現在検討中である。
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