1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規有用酵素フルクトシルアミノ酸オキシダーゼのタンパク工学的研究
Project/Area Number |
09760087
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 信行 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10273848)
|
Keywords | フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ / 糖化タンパク / 糖尿病 / Aspergillus / FAD / タンバク工学 / メタノール酵母 |
Research Abstract |
糸状菌Aspergillus terreus GP1株のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)のcDNAを大腸菌用高発現ベクターpKK223-3に導入し、FAOD高発現系を構築した。その結果、元株の30倍程度の生産性が得られた。FAODのC末端にはペルオキシソーム移行シグナルであるPTS1が存在するが、メタノール酵母Candida boidinii内で発現させたとき、FAODはペルオキシソームへ移行した。FAOD発現においてペルオキシソーム内の空間的な問題を回避するため、Candida boidiniiアルコールオキシダーゼ欠損株を用いてFAODを発現させたところその活性は2〜3倍に上昇した。 FAODの活性中心に存在するシステイン残基(C334、C336)の役割を調べるために両システインに部位特異的変異を導入しセリンに置換した。C334SおよびC336S変異体はいずれも活性を示さず、両システインは活性発現に重要な残基であることが予想された。またC334S変異体をFADと共に30分間インキュベートすると若干の活性の回復が見られたが、C336S変異体にはそのような活性の回復は見られなかった。またC336S変異体は補酵素であるFADを欠損していた。リジルエンドペプチダーゼ処理によりFAODのフラビンペプチドを精製し、FADの結合サイトを同定したところC277であることが分かった。これらの知見を元に現在FAODの機能改変について検討進めている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 吉田信行: "糸状菌由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの活性部位の解析" 日本農芸化学会誌. 72巻2号. 268 (1998)
-
[Publications] 谷 吉樹: "糖尿病診断用FAD酵素:糖化アミノ酸酸化酵素." ビタミン. 71巻12号. 583-584 (1997)
-
[Publications] 吉田信行: "フルクトミルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD)の機能改変" 日本農芸化学会誌. 71巻臨時増刊号. 272 (1997)
-
[Publications] 阪井 康能: "Aspergillus terreus GP1株由来糖化アミノ酸オキシダーゼcDNAのCardids boidiniiアルコールオキシダーゼ・破壊株内での発現" 日本農芸化学会誌. 71巻臨時増刊号. 209 (1997)
-
[Publications] 阪井 康能: "Penicilliuin jentluinellum AKU3413株由来糖化アミノ酸オキシダーゼ合成DNAのCandide boidiniiでの発現" 平成9年度日本生物工学会大会講演要旨集. 83 (1997)