1997 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の新規なチェックポイント因子Pmt3タンパク質の解析
Project/Area Number |
09760089
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田中 克典 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (60273926)
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Keywords | 分裂酵母 / ユビキチン様因子 / 細胞周期 / Pmt3タンパク質 |
Research Abstract |
分裂酵母Pmt3pは分子量約13kDa,117アミノ酸からなる核蛋白質で、出芽酵母ではSmt3pとして哺乳類細胞ではPIC1/SUMO-1/Sentrin/GMP1/UBL1として同定されている真核生物間で高度に保存されている新規ユビキチン様因子である。RanGAP1を修飾する蛋白質としてSUMO-1が同定されて以来その細胞内での機能が注目を浴びている。pmt3^+遺伝子は細胞の生育に必須ではないが、pmt3遺伝子破壊株は細胞増殖が著しく悪く、生存率の低下やHU,TBZ,UV,MIMS及び温度感受性といった多様な表現型を示し、許容温度下でも核のdisplaceやcut様の表現型を示す。また今回、pmt3遺伝子破壊株では人工ミニ染色体が著しく不安定になっていることやテロメアの異常な伸長が起きていることが分かった。以上の表現型の多くは出芽酵母等からの知見からPmt3pのE1酵素複合体の一つと考えられるRad31pやE2酵素と考えられるHus5pの変異株や遺伝子破壊株でみられる表現型と酷似していた。また、two-hybrid法によりPmt3pとHus5pが相互作用することを確認した。以上の結果より、分裂酵母の新規ユビキチン様因子Pmt3pはRad31pをE1酵素複合体の一つとして、Hus5pをE2酵素として標的蛋白質を修飾することで細胞周期を制御すると考えている。
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