1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760096
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
南 雄二 鹿児島大学, 農学部, 助手 (90253913)
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Keywords | 抗菌ペプチド / 抗菌物質 / 生体防御 / 植物病原菌 / キチン結合タンパク質 |
Research Abstract |
平成9年度はカイワレ種子抗菌ペプチドAFP-1及び-2の抗菌スペクトルを明らかにするとともに、その全アミノ酸配列及びSS結合の位置を決定することを目的とする。 1.抗菌スペクトル カイワレ種子抗菌ペプチドAFP-1及び-2は病原性のカビについては,キュウリ蔓割れ病菌,柑橘白カビ病菌,イネ紋枯病菌,ジャガイモ夏疫病菌,チャ炭疽病菌,ビワ炭疽病菌について抗カビ活性を調べたところ,すべてのカビについて生育阻害活性が見られ,その顕微鏡観察から,各胞子を強く凝集していることが明らかとなった.一方,病原性グラム陽性・陰性菌については,カビの数十倍の濃度においても活性を示さなかった. 2.アミノ酸配列の決定及びSS結合の位置決定 AFP-1及び-2のアミノ酸配列については,酵素消化物から得られた各ペプチドを分析することにより,51残基からなるアミノ酸配列を決定した.また,ピログルタミルペプチダーゼ消化により,そのN-末端はピログルタミン酸であることがわかった.AFP-1及び-2は非常に相同性が高く,AFP-1の5番目のGluがGlnに,27番目のAsnがArgに置換されているだけであった.SS結合の位置決定については,36番目と45番目及び47番目と51番目にSS結合が存在することを明らかにしたが,AFP-1及び-2とも非常に安定で,酸加水分解・酵素消化等を行っても残りの断片化が難しく,4番目,15番目,21番目,25番目のSS結合の同定にはいたらなかった.決定した配列を現在までにN-末端が明らかにされている他の植物由来の配列と比較したところ80%以上の相同性が見られ,これらが植物defensinに属することが明らかとなった.また,マウス,カブトガニ,センチニクバエのdefensinとの配列比較においては,相同性は低いもののcysteinの位置は非常によく保存されていることが明らかとなった.
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