1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760098
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
米田 英伸 富山県立大学, 工学部, 助手 (50285160)
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Keywords | ポリヒドロキシ酪酸 / PHBデポリメラーゼ / Arthrobacter / 遺伝子 / クローニング |
Research Abstract |
近年プラスチック廃棄物による環境汚染が問題となるに至り、自然環境下で分解するポリヒドロキシ酪酸(PHB)等の生分解性プラスチックの開発が進められている。生分解性プラスチックの開発において必要不可欠である分解性試験のための試薬として有用であるPHBデポリメラーゼの大量生産、本酵素産生微生物の自然界における分布の検討、産生微生物間における本酵素の酵素化学的な相違点の検討、及び本酵素の一次構造解析による分子進化論的な考察を目的として本酵素を産生する微生物を広く自然界よりスクリーニングした。 富山県下の土壌及び活性汚泥からのスクリーニングにより得られたPHB分解菌Arthrobactersp W6株はPHBデポリメラーゼを菌体外に分泌する。培養上清中の酵素活性が最大となる条件で本菌を培養し、得られた培養上清よりPHBデポリメラーゼを均一に精製した。この精製した酵素の至適温度・pH、安定温度・pH、阻害剤、基質特異性、補酵素の要求性、及び速度論的解析等の各種酵素化学的諸性質を検討し、他の微生物由来のポリヒドロキシ酪酸加水分解酵素と比較した。本年度においては、新たに本菌からゲノミックDNAを抽出し、適当な制限酵素で断片化した後、プラスミドに挿入してゲノミックDNAライブラリーを作製した。これよりPHBデポリメラーゼをコードする遺伝子を含むクローンをPHBを含む不透明なプレート上に現れるクリアーゾーンを指標としてPHBデポリメラーゼ活性を有する形質転換大腸菌を選抜した。得られた遺伝子の塩基配列を決定し、そこから推定される本酵素の一次構造を他の微生物由来のポリヒドロキシ酪酸加水分解酵素と比較した。さらに、得られたPHBデポリメラーゼ遺伝子を用いて大腸菌での大量発現系の構築を試みた。
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