1998 Fiscal Year Annual Research Report
調節蛋白AmfRを介した放線菌の形態分化制御機構の分子レベルでの解析
Project/Area Number |
09760104
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上田 賢志 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00277401)
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Keywords | Streptomyces griseus / amfR / acrial mycclium / gene disruption / supressor gene / A-factor |
Research Abstract |
2成分制御系の応答因子をコードするamfRはstreptomyces griseusのA-ファクター欠損変異株にプラスミド上で導入することでその気中菌糸形成を回復させることから、この菌の形態分化の開始を正に調節する制御遺伝子であることが予想されていた。今回このamfR遺伝子の破壊株の取得に成功した。方法はamfRのコード領域中にカナマイシン耐性遺伝子を挿入したDNA断片を脱落しやすい性質をもつベクターpKU296にクローン化したプラスミドを用いた相同組み替えによった。その結果取得した4株の破壊株はいずれもYMP-グルコース寒天培地上で完全な気中菌糸欠損の性質を示した。このことはamfRがこの菌の形態分化の開始に必須の役割を果たす正の調節遺伝子であることを示している。次にこの破壊株を宿主に用いて高コピープラスミドを用いてショットガンクローニングを行い、気中菌糸形成能欠損の性質をサプレスする遺伝子の取得を試みた。その結果現在までに良好に気中菌糸形成を回復させる4種のDNA断片の取得に成功した。この方法によって得られる遺伝子の中にはamfRの下流で作用する制御遺伝子が存在する可能が考えられる。取得したDNA断片のうち1種についてその塩基配列の部分配列を決定したところ、GTP結合部位をもつ蛋白質をコードする完全な読みとり枠が存在することが明らかになった。現在気中菌糸回復能を指標にしたサブクローニングによって活性を有する読みとり枠の特定を行っている。
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