1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規スピロアセタールエノールエーテル合成法を基盤とした生理活性物質の合成研究
Project/Area Number |
09760107
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸嶋 浩明 北海道大学, 農学部, 助手 (50237088)
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Keywords | スピロアセタールエノールエーテル / スピロアセタール / エノールエーテル / 分子内共役付加反応 |
Research Abstract |
1.鎖状モデル化合物(methyl 10-hydroxy-6-oxo-2-decynoate)を用いてスピロアセタールエノールエーテル(2-Methoxycarbonylmethylene-1,6-dioxaspiro[4.5]decane)基本骨格の構築に成功した。塩基性条件下(t-BuOK/THF)では(E)-体が選択的(約52:1)に得られたが、さらに反応条件を検討した結果、ベンゼン中で触媒量の酢酸パラジウムで処理することにより(Z)-体を選択的(約95:1)に得る方法も開発した。それらの異性化実験を通して反応機構に関しても考察した。以上の成果は現在Tetrahedron誌に投稿中である。 2.鍵段階となる分子内共役付加反応の活性化官能基としてエステル以外の官能基導入を検討した。アルデヒドの等価体としてアセタールを導入し、低収率ながらスピロアセタールエノールエーテルの構築ができた。また先の酢酸パラジウムで反応が進行したことからエステルやアルデヒド以外の官能基でも環化は可能と考えられ、本反応の適用性の拡大に関して検討を続ける予定である。 3.天然物全合成への検討をおこなった。必要な不斉をL-酒石酸を原料として導入した。その後モデル系に対応する官能基化、すなわち共役アルキニルエステルの導入を現在検討中である。また、合成段階数を減らすことが可能と考えられる別の不斉導入法として、不斉ジヒドロキシル化を経る経路も合わせて検討中である。
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