1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規手法の開発によるパトリキシン類縁体オスロレオシンの構造決定
Project/Area Number |
09760110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐竹 真幸 東北大学, 農学部, 助手 (90261495)
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Keywords | 超活性海洋天然物 / オストレオシン / パリトキシン / 渦鞭毛藻 / CID MS / MS / NMR |
Research Abstract |
渦鞭毛藻Ostreopsis. siamensisの大量培養を行い、オストレオシンA-Eと命名したパリトキシン類縁体5成分を単離した。O. siamensisの^<13>C強化培養の予備実験を行い、とりすバッファー量を2分の1に減らした、培地組成の改変により^<13>Cの藻体への取り込み量が数倍上昇することが判明した。また、精製法の改善を行った結果、従来の精製法に比べて大幅に収率が上昇した。 2-スルホ安息香酸無水物を0℃で反応を行うことにより、1級水酸基に選択的に導入する方法を確立した。この方法を用いて、2-スルホ安息香酸無水物を赤潮毒ブレベトキシン-3の1級水酸基に導入し、FAB CID MS/MSを測定したところブレベトキシンの構造情報を反映したフラグメントイオンが顕著に観測され、ブレベトキシン-3の構造が確認された。本方法が酸性官能基を持たない生理活性物質の構造決定に有用であることを見いだした。 また、ニュージーランドで発生した神経性貝毒原因物質ブレベトキシンB2を単離し、NMRとFABCID MS/MSを用いることによりその構造決定に決定した。ブレベトキシンB2はブレベトキシンの側鎖にシステインが付加し、その後スルフィドがスルフォキシドに酸化された全く新規の化合物であることが明らかとなった。この結果は、永年の間不明であった神経性貝毒の原因物質がブレベトキシンその物ではなく、貝体内中で代謝変換を受けた化合物であることを初めて証明した。
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Research Products
(1 results)