1997 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いたアクティベーションタギング系の開発と応用
Project/Area Number |
09760113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 義人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90222067)
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Keywords | アクティベーションタギング / トランスポゾン / シロイヌナズナ / タバコ |
Research Abstract |
本研究は植物の個体レベルでの変異形質の選抜を可能にする新規アクティベーションタギング(AT)系を確立し、植物ホルモンのシグナル伝達系の解析に応用することを目的としており、本年度はAc/Ds系トランスポゾンを用いたATエレメントを調製し、植物中でのトランスポゾンの転位頻度等、調製したエレメントの性質を明らかにし、タギングを行う上での実用性を検討した。 自己安定化型のAc/Ds系トランスポゾンを用いて、新規AT用エレメントを作製した。形質転換、転位、再挿入のマーカー遺伝子を持つ上に、プラスミドレスキューにより、挿入位置近傍のゲノムDNAの回収が可能である。これらをAc/Ds系トランスポゾンが転位しやすいタバコおよび実験植物として数々の利点を有するシロイヌナズナに導入した。形質転換体第一世代におけるソマティック転位および第一世代から第二世代にかけてのジャーミナル転位の有無を解析した。 タバコにおいては形質転換第一世代の葉におけるソマティック転位をPCRおよびサザン解析により確認した。また、自家受粉により得られた第二世代のゲノムDNAのPCR解析により、約25から90%の頻度でジャミナール転位が起こっていることが判明した。また、シロイヌナズナにおいても一部の形質転換体でソマティック転位が確認された。これらの結果より、少なくともタギングエレメント内の各ユニットの遺伝子が両植物で機能していることが証明された。現在、シロイヌナズナにおけるジャミナール転位の頻度等を明らかにすべく解析結果を集積している。 これらの解析を通して、約700の形質転換体ストックを得たが、その中に花成時期の早まるものや遅くなるもの、また致死的なものなどの変異形質を持つものが観察されている。
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