1998 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いたアクティベーションタギング系の開発と応用
Project/Area Number |
09760113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 義人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90222067)
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Keywords | アクティベーションタギング / トランスポゾン / シロイヌナズナ / タバコ |
Research Abstract |
本研究においては、シロイヌナズナの個体レベルでの変異形質の選抜を可能にする新規activationtagging(AT)系を確立し、植物ホルモンのシグナル伝達系の解析に応用することを目的としている。 昨年度作成した数種のトランスポゾン型のAT用タギングエレメントのシロイヌナズナにおける転位様式をPCR,サザンブロッティングにより解析した.タバコの場合と異なりシロイヌナズナでは転位の指標となるスペクチノマイシン耐性遺伝子が正常に機能せず、また,ゲノム解析ではsomaticとgerminal転位の区別が明瞭でないため,germinal転位率を算出する事が出来なかった。転位によって生じるemptydonorsiteの検出率が高かったREH-Cと名付けたタグエレメントをその後の研究に使用することに決定し,本エレメントを導入した約2000の形質転換体及びその後代種子を調製した. これらのトランスポゾンの転位により新たな変異を含んでいると考えられる後代種子およびストックセンターより入手可能なT-DNA ATラインを対象に胚軸伸長に関わる変異体のスクリーニングを行った. その結果,通常の栽培条件下で野生型より長い胚軸を有する変異体が1種得られた.形質転換マーカーや形質の遺伝学的解析により,この変異は劣性であり,挿入されたT-DNAによる可能性が高いことが示された.プラスミドレスキューによりT-DNA近傍にゲノムDNAを回収し,シーケンス解析をしたところ,2個以上のT-DNAが複雑な挿入様式で導入されていることが判明した.また,これまでに配列が決定された約600bpの領域には既知の配列との相同性が認められなかった.優性の変異体を得るべく,さらに種々のスクリーニングを継続している.
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