1997 Fiscal Year Annual Research Report
食物繊維による大腸上皮細胞の異常増殖抑制作用における免疫系の関与
Project/Area Number |
09760120
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石塚 敏 北海道大学, 農学部, 助手 (00271627)
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Keywords | aberrant crypt foci / 食物繊維 / 1,2-dimethylhydrazine / 抗アシアロGM1 |
Research Abstract |
大腸化学発ガン剤である1,2-dimethylhydrazine(DMH)の投与により誘発される大腸部位の初期病変としてaberrant crypt foci(ACF)がある。甜菜食物繊維(SBF)の摂取は強力にDMH誘発大腸がんの発生を抑制することから、SBFの摂取がDMH誘発ACFに対して影響を及ぼすかどうかを検討した。その結果、大腸がんが出来るより早い時期にSBFの摂取がDMH誘発ACFの形成に対して抑制的に作用することが明らかになった。抗アシアロGM1血清in vivo,in vitroでナチュラルキラー活性を強力に抑制することが知られている。我々の以前の研究で、抗アシアロGM1血清をラットに投与することで、DMH誘発ACFが増加すること、即ち、免疫監視機構がDMH誘発ACFの発生に関与していることが示唆された。そこで、SBFのACF抑制効果が抗アシアロGM1の投与によるNK活性抑制の影響を受けるかどうかを検討した。抗アシアロGM1を予め投与した場合には、無繊維食群ではDMH誘発ACFの有意な増加が起こったのに対し、SBF摂取群ではその増加が抑えられることが明らかになった。これらの結果から、SBF摂取によるACF抑制効果は、抗アシアロGM1投与によるACF増加効果を凌駕することが示唆された。
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Research Products
(1 results)