1997 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食摂取による乳脂肪球皮膜タンパク質遺伝子の発現変動
Project/Area Number |
09760127
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 直人 名古屋大学, 農学部, 助手 (40242846)
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Keywords | 乳腺 / 乳腺上皮細胞 / 乳脂肪球皮膜 / 高脂肪食 / 泌乳 |
Research Abstract |
plugの形成を調べ妊娠を確認した直後より、実験群(高脂肪食群)のマウスには30%コーンオイルを含む高脂肪食を、対照群には5%コーンオイルを含む通常食を摂取エネルギーが等しくなるように自由摂取させた。分娩後、2、7、14、17日目にネンブタール麻酔下で乳汁を採取し、各種成分を解析した。採取したすべての乳汁サンプルの中性脂肪及び遊離脂肪酸濃度は高脂肪食群では対照群のそれに比べ、それぞれ50%以下、40%以下に有意に減少することが明らかとなった。それに対し、両群で乳糖及びタンパク質濃度に有意な差はみられなかった。また高脂肪食群では乳汁エネルギーの大部分を占める脂肪成分が激減したにも関わらず、仔マウスの成長曲線及び各臓器重量に両群で有意な差はみられなかったことから、仔マウスが乳汁成分の変化を察知するモニター機構の存在も示唆された。 乳脂肪の乳汁中への分泌に重要な役割を果たしていると考えられている乳脂肪球皮膜タンパク質MFG-E8,ブチロフィリンに対する抗血清を用いたWestern blot解析の結果、両群の乳汁サンプルにおいてほぼ同程度のタンパク質が検出され、乳汁中への乳脂肪の分泌と乳脂肪球皮膜タンパク質の分泌が必ずしも密接に関連していないことを示す結果を得た。また120K、168Kタンパク質のWGA、RCA-Iレクチンに対する反応性が高脂肪食群の乳汁サンプルで増強されることも明らかとなった。 来年度は、今年度得られた結果をさらに遺伝子レベルで解析し、高脂肪食摂取と乳脂肪球皮膜タンパク質の関連をより詳細に調べる予定である。
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