1998 Fiscal Year Annual Research Report
発がんプロモーターとして作用する胆汁酸の生態内動態に関する研究
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09760135
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
佐伯 徹 京都府立大学, 農学部, 助手 (00275190)
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Keywords | 胆汁酸 / トランスポーター / システイン / Na^±濃度勾配 / 部位特異的突然変異 / 培養細胞 |
Research Abstract |
筆者はこれまでに、システイン修飾試薬であるNEMによってマウス回腸から単離した上皮細胞によるNa^+-依存の[^3H]タウロコール酸取り込みが阻害されることを見いだしており、マウスISBTによる胆汁酸輸送にシステイン残基が関わっているのではないかという仮説を立てている。本年度は、マウスISBTに部位特異的突然変異を導入して任意のシステイン残基一つをアラニンに置換し、培養細胞で発現させて[^3H]タウロコール酸取り込みを測定した。筆者は、野生型および変異体マウスISBTの培養細胞内での発現を検出するために抗体の作成を試みているが、現時点では抗体取得に至っていない。そこで、活性測定が極めて容易な大腸菌β-ガラクトシダーゼをマウスISBTのC-末端に融合して発現させるベクターを構築し、COS-7で一過性の発現を行った。β-ガラクトシダーゼ-野生型マウスISBT融合タンパク質発現ベクターを導入したCOS-7はNa^+-依存の[^3H]タウロコール酸取り込み活性を示した。12個のシステイン残基をそれぞれ一個ずつアラニンに置換した12種の変異体とβ-ガラクトシダーゼ融合タンパク質発現ベクターを導入したCOS-7はどれも野生型と同じ程度のβ-ガラクトシダーゼ活性を示したことから、システインをアラニンに置換する変異は少なくともタンパク質の発現には影響しないことが示された。[^3H]タウロコール酸取り込みを測定すると、51および96番目に位置するシステイン残基をアラニンに置換した変異体では、顕著に取り込み活性が減少した。ただし、β-ガラクトシダーゼ融合マウスISBTは、ISBT単独で発現させたときよりも取り込み活性がするため、抗体の作成やよりサイズの小さいタグの利用など、詳細な検討が必要である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tohru Saeki,et al.: "Characterization,cDNA cloning,and functional expression of mouse ileal sodium-dependent bile acid transporter" Journal of Biochemistry. (発表予定).