1997 Fiscal Year Annual Research Report
木造車道橋の静的および動的挙動特性に関する実験的研究
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09760164
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
佐々木 貴信 秋田県立農業短期大学, 木材高度加工研究所, 助手 (00279514)
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Keywords | プレストレス床版橋 / 振動特性 / 衝撃係数 / 減衰定数 / 車両走行試験 |
Research Abstract |
本研究では,「木橋の静的および動的挙動特性」に主眼をおき、これまで皆無に近かった、たわみ特性、振動特性等に関する諸デ-夕を収集することを目的とし、ダンプトラックを用いての、車両走行試験を、既存のまたは今後架設される他の木橋について実施することを計画した。さらに、得られた結果から、既に整備されている、鋼橋やコンクリート橋に関する設計指針に対応させた形での指針案を提示することを最終目的としている。 本研究の申請以前の平成8年10月には、長野県に架設された橋長40mのプレストレス床版橋について、20tfのダンプトラック2台を用いての、車両走行試験を行い静的および動的挙動特性に関する諸データを得ているが、平成9年5月には、同橋と同じ路線に架設された橋長30mのラーメン橋について同様の実験を行い、各種のデータを得た。これらの実験データや、既に報告されている木橋の振動特性に関するデータをもとに、木橋の動的特性について鋼橋やコンクリート橋との比較を行ったところ、近代の木橋は道路橋として十分な剛性や強度を有していることが明らかになった。減衰定数に関しては鋼橋やコンクリート橋に比べて若干大きな値を示しており、木橋が高い減衰性能を有していることが確認された。衝撃係数に関しても、設計値の0.25を下回るような結果が得られた木橋もあった。これらの性能について定量的な評価をするためには、より多くの実測データの蓄積が必要であり、引き続き実験を行っていく必要がある。また、本研究で行っているようなトラックを用いた載荷試験や走行試験方法は、鋼橋やコンクリート橋に対する静的および動的振動試験としては一般的な測定法であるが、本法は木橋に対する試験法としても有効であるという検証を得た。しかしながら、木橋の設計指針案を提案するまでには至っておらず、今後さらに多くの実測データを蓄積する必要がある。
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