1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760177
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
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Keywords | 卵母細胞 / 成熟 / 生殖腺刺激ホルモン / コネクシン / ギャップ結合 / 盧胞細胞 / 卵成熟能 / コダイ |
Research Abstract |
マダイ卵母細胞の成熟能獲得機構を明らかにするために生理学的および分子生物学的解析を行った。産卵期中に毎日産卵を行っているマダイより卵成熟能を獲得した卵巣を取り出し、RNAの精製を行った。得られたRNAを鋳型に用いてcDNAを合成し、RT-PCR法により、2種類のコネクシンcDNA断片を増幅することができた。片方は大西洋産ニベの卵黄蓄積が終了した卵巣から我々が既にクローニングしたコネクシン32.7と高い相同性(核酸で87%の相同率)が得られ、同分子のホモログと考えられた。他方はヒツジの角膜より単離されたコネクシン26と73%の相同性を示した。これらのクローンに関しては現在3′RACE法および5′RACE法によってその全長の解析をおこなている。 得られたクローンの卵巣における発現量を定量的PCR法によって解析したところ、卵成機能を獲得する前後でその発現量に差は認められず、これらのコネクシンのマダイ卵母細胞の成熟能獲得への関与は明らかにすることができなかった。そこで、本実験で用いたPCR用プライマーでは増幅不可能な他のコネクシン分子が卵巣中に存在すると考え、卵成熟能獲得後の卵巣cDNAライブラリーを作製し、大西洋産ニベのコネクシン32.2(同種の卵成熟能獲得に大きく関与していると考えられている分子)cDNAをプローブに用い、そのホモログのクローニングを現在行っている。
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