1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760184
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
飯郷 雅之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10232109)
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Keywords | 生物時計 / サーカディアンリズム / 脳 / 魚類 / メラトニン / メラトニン受容体 |
Research Abstract |
魚類においては、生物時計の存在部位である松果体や眼球の除去を行っても遊泳活動等のサーカディアンリズムが存続することから,哺乳類と同様に脳内にも生物時計が存在すると考えられる.しかしながらその局在と機能については明らかではない.そこで本研究においては,魚類の脳内生物時計の局在の同定とその機能解析を行うためにいくつかの検討を行った. 1.魚類における網膜視床下部神経路の解析 魚類においても脳内生物時計の光同調に関与する視床下部神経路が存在するかどうか検討するため,キンギョ眼球にトレーサー(バイオサイチン)を注入した.現在,組織切片の作成を行い,検討中である. 2.メラトニン受容体の局在 松果体,網膜に存在する生物時計と脳内生物時計の相互作用について解析するための基礎実験として,松果体,網膜で生物時計の制御により産生されるメラトニン受容体の脳内分布についてin vitroオートラジオグラフィーにより検討した.その結果,終脳,視蓋,視床下部,小脳分子層,延随に特異的なメラトニン受容体が存在することが明らかになった.しかしながら,オートラジオグラフィーの解像力ではメラトニン受容体を発現している神経細胞を同定することは不可能なので,メラトニン受容体遺伝子のクローニングを試みた.その結果,キンギョ脳total RNAを鋳型としたPCRにより4種の異なるcDNA断片が増幅された.現在,その全長の塩基配列決定を試みている.また,cDNAより演繹されるアミノ酸配列をもとに合成ペプチド抗体を作成し,免疫組織化学にによるメラトニン受容体発現細胞の同定を試みている. 3.脳内生物時計培養系の確立 今年度は脳内生物時計の局在が同定できなかったので,脳スライス培養の予備実験を行うにとどまった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iigo M et al.: "Ocular welatonin rhythms in the goldfish,Carassius auratus" Journal of Biological Rhythins. 12. 182-192 (1997)
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[Publications] Iigo M et al: "Ocular melatonin rhythms in a cyprinid teleost,Oikawa Zacoplatypus,are driven by light-dark yeles." Zoological Science. 14. 237-242 (1997)
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[Publications] Iigo M et al: "Unusual responses to light and darkness of ocular melatonin in European Seabuss." Neurokeport. 8. 1631-1635 (1997)
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[Publications] Iigo M et al: "Melatonin binding sites in the goldfish retina" Zoological Science. 14. 601-607 (1997)
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[Publications] Iigo M et al: "Characterization guanosine 5'-O-(3-thiotriphosphate)modulation,dailyvariation,and localization of melatonin-binding sites in the catlish (Silms asotus)brain." General and Comparative Endolrinology. 108. 45-55 (1997)
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[Publications] Iigo M et al: "Photic and circadian hegulations of melatonin rhythins in fishes" Biological Signals. 6. 225-232 (1997)