1997 Fiscal Year Annual Research Report
抗原抗体反応を用いた魚病性細菌の迅速・高感度検出法の確立に関する研究
Project/Area Number |
09760191
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
遠藤 英明 東京水産大学, 水産学部, 助手 (50242326)
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Keywords | フローサイトメトリー / 抗原抗体反応 / 腸球菌 / バイオアッセイ / 魚病 |
Research Abstract |
近年,水産養殖業の分野において腸球菌(Enterococcus seriolicida,現在はLactococcus garvieaeと改名)感染症による魚の大量へい死が問題となっていた。この感染を未然に防ぐには,その病原体の早期検出が予防・治療の鍵となるが,現在のところ特異性に優れ,迅速な検出法は開発されていない。そこで本研究では,抗原抗体反応とフローサイトメーター(FCM)を用いた高感度かつ迅速・簡便な腸球菌検出法の確立を目的とした。平成9年度は,L.garvieae特異的抗体の作製及びFCMによる各種海洋細菌の生菌数測定法の確立を目標に研究を遂行した。, まず,鹿児島県のブリ養殖場で実際に発生し,病魚より分離されたL.garvieaeをフロインドアジュバントとともにウサギに免疫し,その抗血清を作製した。また,L.garvieae及び実際に養殖場に共存すると予想される他の微生物(Vibrio sp.,Pseudomonas fluorescens,Escherichia coli等)をモデルとして,細菌の懸濁溶液をFCMのフローシステムに注入し,Flourescein diacetate(FDA)用いてそれらの生菌数測定を試みた。 その結果,作製した抗体はL.garvieaeに対して強い特異性を示すことが明きらかとなった。またFCMによる菌数測定では,10^4から10^8cells/ml範囲において平板培養法による測定結果との間に良い相関が認められた。さらに一検体の測定時間は60秒で可能であり,従来法に比べて極めて迅速に生菌数測定を行えることが明らかとなった。平成10年度ではこれらの知見を基盤とし,先に作製した抗体と組み合わせることにより,L.garvieaeの特異的検出を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)