1997 Fiscal Year Annual Research Report
魚類I型コラーゲン分子のテロペプチド領域における生化学的多様性と食品学的機能
Project/Area Number |
09760197
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
安藤 正史 近畿大学, 農学部, 講師 (80247965)
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Keywords | コラーゲン / 魚類 / 筋肉 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
(1)コラーゲン分子からのα1鎖サブユニットの分離 まず,分析に用いるためのテロペプチド領域の分取を試みた。代表的な流通魚であるハマチ,マダイ,ヒラメ,トラフグの筋肉より,0.1M NaOHにより粗コラーゲンを抽出した。続いて0.5M 酢酸により,テロペプチド領域をもつ酸可溶性コラーゲンを抽出した。熱変性させた後,CMセルロースカラムクロマトグラフィーによりI型コラーゲンのサブユニットであるα1鎖を分離した。ここで,テロペプチド領域をα鎖から分離させるためペプシン消化,および細菌コラゲナーゼ消化を行ったが,テロペプチド領域と考えられるペプチドは電気泳動により確認することができなかった。 (2)テロペプチド領域のアミノ酸配列の解析 分取したα1鎖について,テロペプチド領域のアミノ酸配列の解析を試みた。電気泳動,PVDF膜への転写の後,アミノ酸シーケンサーによりアミノ酸配列の解析を行った。しかし,α1鎖のN末端はブロッキングされていると思われ,無処理では配列を読むことができなかった。そこで,ピログルタメートアミノペプチダーゼによる処理を行なったが,なお解析はできなかった。そこで臭化シアン,V8プロテアーゼによる限定分解を行ったのち,再びアミノ酸配列を解析した結果,臭化シアン分解によるペプチドについてはやはり配列は読めなかったが,V8プロテアーゼ処理により得られたペプチドの配列は一部において読むことができた。 以上の結果より,今後はV8プロテアーゼ処理により得られたペプチドを分画し,その中で末端由来のペプチドをアミノ酸分析等によって決定した上で,再度デブロッキングおよびアミノ酸配列解析を行う予定である。
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