1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760216
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柏木 淳一 北海道大学, 農学部, 助手 (40241369)
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Keywords | 土壌水分 / 空間変動 / 土壌サンプリング / 改良山成畑 |
Research Abstract |
改良山成畑工により造成された畑圃場において、土壌物理性の空間変動特性を明らかにする目的で、統計的手法により解析を行った。調査は約3.3haの畑圃場内において55×55mの区画を設け、5m格子で144地点と傾斜方向と一致する対角線上の格子の中央の11地点、計155地点で土壌試料の採取を行った。土壌試料は作土層(深さ8cm)から100cm^3(φ5cm・h5.1cm)の土壌コアサンプラーを用いてそれぞれ1サンプルを採取した。採取した不撹乱土壌試料について、飽和透水試験、容積密度、含水量等の基本物理性について試験を行い、それらの変動の特性を解析するために基本統計量の算出と正規分布への適合性の検定を行った。最も変動性の大きな物理性は変動係数が120%を示した飽和透水係数であり、その度数分布については正規性及び対数正規性についての適合性が有意水準5%で棄却された。それ以外の物理性に関しては気相を除いて変動係数が10%以下と変動性が小さく、また正規性に関しては、飽和度、含水比以外では棄却されなかった。含水比に関しては正規性が認められなかったが、その分布形態の特徴としては、分布の尖度は16でデータの93%以上が0.45〜0.55cm^3/gの範囲に集中している分布形態を示していた。なお正規性の認められた物理性に関して、危険率、誤差率を5%として求めた必要データ数は25データとの値が得られた。各物理性の空間変動のについては、等値線図、標高との相関分析、地質統計的手法(セミバリオグラム)による解析を行ったが、含水比以外では明瞭な特徴が認められなかった。含水比の等値線図からは等高線方向に沿って分布する特徴、および標高とは正の有意な相関関係が認められた。算出方向を考慮したセミバリオグラムからも異方性といった空間変動特性が確認され、その変動は傾斜方向では14m、等高線方向では20m以内で距離に依存する空間変動であることが示唆された。
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