1997 Fiscal Year Annual Research Report
広域市町村圈における社会資本整備の評価に関する研究
Project/Area Number |
09760218
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 達夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40238738)
|
Keywords | 広域市町村圏 / 圏域内格差 / 圏域間格差 / 農村社会資本 |
Research Abstract |
都市と農村における社会資本の格差は依然存在している。こうした格差を是正するため農村地域においても、様々な生活環境基盤整備事業が行われている。ところで農村地域では、その内部においても地域的なバランスのとれた整備が進められているであろうか。ここでは「都市及び農山漁村地域を一体として形成している日常社会生活圏を単位とする」広域市町村圏を対象として、社会資本整備水準の格差を圏域内格差と圏域間格差という視点から検討した。 今年度は圏域間格差に関して分析を行った。用いたデータは国土庁地方振興局「農村地域整備状況報告書-現況調査-1991年」の基礎データである。この調査は農業振興地域の指定を受けた市町村の農業集落を対象としている。また、広域市町村圏は全国に362圏域ある(大都市周辺地域広域行政圏を含む)。 検討に用いた指標は次の通りである。市長村道舗装率、集落道路舗装率、上水道普及率、下水道普及率、園地保有率である。 各圏域毎の整備率の平均値(圏域を構成する市町村の加重平均)、分散と変動係数から圏域間格差を考察した。市長村道舗装率と上水道普及率はそれぞれ88%、87%と平均値が高く、変動係数も14%、17%と小さい。一方、下水道普及率は標準偏差が7と小さいが平均値が低いために変動係数が最大である。そして、集落道路舗装率および園地保有率は中間的な値を示す。全国的に整備が進んでおり整備率の高い工種の整備は圏域間の格差が小さい。反対に整備率の平均値が小さいほどばらつきが多い。すなわち、整備を行った圏域と行われていない圏域の格差が大きい。各整備率を合計した値は諏訪地域や滋賀県の圏域で高く、北海道で低かった。なお圏域内の格差は翌年の課題とする。
|