1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09760221
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
多田 明夫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (00263400)
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Keywords | 水質 / 農業用溜池 / 調整池 |
Research Abstract |
平成9年度は、住宅開発が進んだ加古川支流域である山田川流域において、小型貯水池の水文特性(流出特性)と水質特性を明らかにするために、資料収集・解析を行った。小型貯水池として、近畿地区に特徴的な農業用溜池(K池)と、団地開発により造成された調整池(H池)を選定し、両池に雨量計、水位計及びデータロガーを設置し、計測を開始した。ただし、当初予定していた農業溜池が上流側の長期造成工事(本年度夏季より着工)により常時濁水が混入し、研究目的に適さないこととなり、本年度に入り再度選定作業と監理者の了解の取り付けを行ったため、実際の調査の着手が遅れた。 現況では本調査の前の予備調査として、池の水収支の検討を行った。池のH-V(水位-貯留量)、H-A(水位-池面積)曲線を策定し、水位よりH-Q(水位-流出量)曲線により流出量を決定し、雨量と蒸発量より池の水収支を観測している状況である。両池において、水位が低い次期に漏水量を算出したが、共に測定誤差の範囲内であった。これは低水位時のH-Vの観測誤差が大きいためであり、厳密な水収支を議論することは困難であった。今後はこの点に留意しつつ、池の長期水収支解析を行う。池の水質調査については、両池において数回のサンプリングを行い、予備検討を行った。底質調査も1回行っている。新たに選定したK池にでは、上流流入部位が池直上流部に設定できなかったので、池への流入水質の代表値をいかに決定するかが今後の検討課題となった。 次年度は本年度の結果をもとに、4月の農繁期から両池の水質特性の違いを明らかにしつつ、本調査に入る予定である。
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