1997 Fiscal Year Annual Research Report
精密ほ場管理のためのロータリ耕うん土壌撹拌特性評価指標確立
Project/Area Number |
09760228
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
片岡 崇 岩手大学, 農学部, 助手 (40231253)
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Keywords | 農業機械 / 耕うん / ロータリ / 精密農業 / Precision Agriculture / 精密ほ場 / 土壌堆積 / 土壌撹拌 |
Research Abstract |
欧米を中心に,ほ場内の各位置における土壌特性,肥料成分の正確な測定(ほ場マップ)に基づいた,適当な耕起,適材適所に適量の肥料散布及び管理作業を行う新しい農法,いわゆる精密農業(Precision Agriculture)に関する要求が高まりつつある。本研究は,精密農業のための耕うん状態の認識・評価指標の確立を目的とする。 シルト系ほ場を想定して評価を行う。ただ1回の耕うんづめの切削により耕うん土をそのまま後方へ投てきする機能をもつ,すくいづめを装備した深耕アップカットロータリ耕うん装置(市販品)を使用して,耕うんによる土壌の移動特性をプラスチック球をマ-カとして使用し測定した。すくいづめを用いたロータリ耕うんの切削投てきモデルから後方投てき及び堆積パターンモデルを考案し,シミュレーションを行った。この時ロータリカバーは除外し,耕うんづめと土の関係について検討することとした。 実験結果とシミュレーション結果には同じ様な傾向がみられ,開発したモデルの有効性が検証された。シミュレーションにおいて,土と耕うんづめの摩擦係数が重要なパラメータになることがわかった。両結果から,すくいづめのすくい面形状が異なると,耕うん後の土壌の堆積パターンに違いがあることがわかった。供試ロータリ耕うん装置の場合,異なるすくい面形状の耕うんづめを用いることで,上層,下層土壌の混合程度を変えることができる。ここで変更したすくい面形状は,すくい面の長さである。すくい面の長さが長いと,切削土をすくい面上に保持する時間が長いので,下層の土壌が上層へ移動する傾向が強くみられた。ロータリカバーを取り付けると,耕うん土のカバーへの衝突,そしてロータリ内への再突入により実験及びシミュレーション結果は大きく異なる。つまり,カバー形状の検討によりさらにいろいろな耕うん後土壌堆積パターンが得られる可能性が見いだされた。
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[Publications] 小野寺一宏, 片岡 崇, 村上成宏, 太田義信: "深耕ロータリ耕うんの土壌移動特性(第1報)" 1997年度農業機械学会東北支部研究発表会講演要旨. 30-31 (1997)
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[Publications] 小野寺一宏, 片岡 崇, 広間達夫, 太田義信: "アップカットロータリ耕うんの土壌撹拌特性に関する研究(第2報)" 第57回農業機械学会年次大会講演要旨(1998.4.2〜4). (発表予定).