1997 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖型植物栽培におけるガス体起源アレロパシーに関する研究
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09760238
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷 晃 東海大学, 開発工学部, 講師 (50240958)
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Keywords | 微量ガス / モノテルペン / エチレン / 閉鎖型チャンバー |
Research Abstract |
植物の微量ガス放出速度は非常に微量であると考えられるので,長期間植物を密閉状態,かつ制御環境下で栽培でき,微量ガスを濃縮する役目を果たす閉鎖型チャンバー(チャンバーAとする)を試作した。チャンバーAは,透明塩ビ板,塩ビパイプなどを用いて製作した。内部にはファンを取付け循環型風胴タイプとした(風量可変型)。容積約1700Lであった。CO_2濃度は,赤外線CO_2分析計によってモニターし,CO_2ボンベから電磁弁の開閉によりCO_2を供給することで濃度制御した。内部のCO_2濃度の減少量から光合成速度を算定した。光源には蛍光ランプを用い,チャンバーの上側から照射した。各環境要因はA-Dコンバータを介したコンピュータを用いて測定,記録し,制御した。 微量ガスの同定にはガスクロマトグラフ質量分析計を使用した。イネを栽培した条件下で,微量ガスを分析したところ,チャンバーの製作時に使用した溶剤やシリコン系のガスが検出された。また,植物が放出したと考えられるエチレン,エタン,モノテルペン系ガスが検出された。来年度は,数種植物を混植した条件下でチャンバー内部に蓄積する微量ガスを分析し,これら微量ガスが植物の成育におよぼす影響を調べる。また,作物間での根系の接触や,根の分泌物など地下部由来のアレロパシーの影響と大気由来のアレロパシーの影響を区別して評価できるかどうか実験手法について検討する。
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