1997 Fiscal Year Annual Research Report
世界各地の地場産業型発酵乳から分離した乳酸菌菌株の産生する機能性多糖の解析
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09760240
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
中村 正 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (70271749)
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Keywords | Maziwalala / Lactococcus lactis subsp. lactis / 菌体外多糖 / 糖組成 / マイトジェン活性 / Filmjolk / Leuconostoc.cremoris |
Research Abstract |
これまでにケニア,マサイ族の伝統的発酵乳であるMaziwalalaから乳酸菌を分離・同定しLactococcus lactis subsp. lactisおよびLeuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides dextranicumの2菌種が主要菌種であることを明らかにした。そこで平成9年度は、主要菌種の1つであるLactococcus lactis subsp. lactisの産生多糖の科学的特性および生物学的機能について検討を行った。 Maziwalalaから分離されたLactococcus lactis subsp. lactisのうち、夾膜観察により最も大きな夾膜の観察されたMZW113菌株の産生する菌体外多糖の分離・精製を行い,酸性及び中性多糖を得た.得られた中性多糖には,ゲル濾過モードのHPLC分析の結果,推定分子量2.0×10^7(A),4.0×10^6(B),1.0×10^6(C)の3種が含まれており,メタノリシスによりそれらの構成単糖は,(A)がラムノース,マンノース,ガラクトースおよびグルコースであり,(B)および(C)はマンノース,ガラクトース,グルコースおよびN-アセチルグルコサミンであることが明かとなった。 また,これら多糖の機能性を調べる目的で,マウス脾臓リンパ球を用いたリンパ球幼若化反応試験を行った。中性多糖は分子量の大きい(A),(B),(C)順に高い活性を示しSI値はそれぞれ15.35±2.97,9.70±0.66, 4.73±0.45であった.また,酸性多糖についても活性が認められ,そのSI値9.63±0.30であった.このことから,Lactococcus lactis subsp. lactis MZW113菌株の産生する菌体外多糖は,免疫賦活化能を有することが示唆された. 一方,スエ-デン産の発酵乳であるFilmjolkから分離したLeuconostoc.paramessenteroides subsp.cremorisの産生する菌体外多糖及び細胞壁多糖についてもリンパ球幼若化反応試験を行い,細胞壁多糖にリンパ球幼若化反応を認めた.
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