1997 Fiscal Year Annual Research Report
シバヤギを実験モデルとした泌乳性無発情成立機序の解明
Project/Area Number |
09760249
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 尚人 筑波大学, 農林学系, 助手 (20202963)
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Keywords | シバヤギ / 分娩後 / 泌乳性無発性 / 多ニューロン発射活動 / LH分泌 / 性周期 / 視床下部 |
Research Abstract |
申請者はシバヤギをモデルとして本テーマに取り組んできたが、これまでに、分娩後のシバヤギにおいては、1)吸乳刺激由来の性周期抑制が同じ反芻家畜であるヒツジにくらべて明確であること、2)吸乳刺激由来のLHのパルス状分泌抑制は明瞭ではないこと、3)吸乳刺激由来の高プロラクチン血症によりLHサージ中枢のエストロジェンに対する感受性が抑制されること、などを示してきた。しかし、2)についてはこれまでに行ってきた血液中のホルモンを分析する方法では、採血時間および期間の制限のために捉えられない変化が存在する可能性が未解決のまま残った。したがって、LH分泌のモニターでは捉えることができない長期間にわたるLH分泌パターンを連続的に解析する必要があると考え、本実験では長期間の連続測定が可能である視床下部基底部の多ニューロン発射活動(GnRHパルスジェネレータの活動)を分娩後のシバヤギで解析することができるかどうかを検討する。 本年度は、分娩予後のシバヤギ4頭の多ニューロン発射活動を初回性周期の回復日まで連続記録するために、まず、雌シバヤギの視床下部基底部に生体内電極を移植し、全ての個体を雄と交配させた。その結果、手術成功例は4頭のうち、全てが妊娠したことが確認された。分娩後の(来年度)視床下部基底部活動の解析については、これらの個体を用いて、正常分娩後の個体哺乳期間および離乳後の多ニューロン発射活動およびこれに同調するLH分泌について検討する。
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