1997 Fiscal Year Annual Research Report
鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのレセプターの分子基盤
Project/Area Number |
09760267
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山口 剛士 岐阜大学, 農学部, 助手 (70210367)
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Keywords | IBDV / レセプター |
Research Abstract |
鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDV)のレセプター分子の決定を目的として、これまでに以下の解析を行った。 1.フローサイトメトリーによるIBDVの吸着評価法を確立し、IBDVの吸着が標的細胞のプロテアーゼおよび糖鎖付加阻害薬処理により阻害されることを明らかにした。このことから、レセプター分子が糖蛋白質により構築されている可能性が示唆された。また、ウイルスは主として細胞表面にIgM(SIgM)分子を持つ細胞に吸着するが、吸着は抗IgM抗体により阻止されず、ウイルスの吸着にSIgM分子が直接には関与していないことが示唆された。 2.IBDVに高度に感受性のLSCC-BK3細胞をSDS-PAGEにより分画し、ビオチン標識したIBDVとの反応を解析した。分子量約110,76および50kDaの分子にビオチン化ウイルスとの反応が認められた。この反応は、抗IBDV中和抗体により阻止され、IBDVに特異的である可能性が推察された。現在、IBDVと親和性のあるこれらの分子について精製を行うと共に、抗体の作出を進めている。 3.抗レセプターモノクローナル抗体の作出を目的としてLSCC-BK3細胞による免疫を行っている。これまでにLSCC-BK3細胞に反応するモノクローナル抗体9種を確立した。現在、これらモノクローナル抗体のウイルス感染阻止活性について詳細な検討を行っている。 4.レセプター分子のクローニングを目的としてLSCC-BK3細胞のmRNAから発現ライブラリーを作出した。現在、レセプター分子発現クローンのスクリーニング作業を進めている。
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