1997 Fiscal Year Annual Research Report
牛の黄体発育過程におけるLH受容体のスプライシング異型体の発現と機能
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09760272
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
川手 憲俊 山口大学, 農学部, 助手 (80221901)
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Keywords | LHレセプター / mRNA / スプライシング / 黄体 / 牛 |
Research Abstract |
本年度は、牛の黄体におけるLHレセプターmRNAのスプライシング異型体の発現について検討し、さらに黄体発育過程におけるその量的変化について検討した。まず、牛黄体のLHレセプターmRNAのスプライシング異型体については、RT-PCRの結果から4本の明瞭なバンドが観察された。各々のバンドの塩基配列については、最長のバンドは519bp(全長型、A from)で牛LHレセプターcDNAの当該領域の配列と同一であった。残りの3本のバンドは、483bp、253bp、および、172bpであり、それぞれ、exonXの全域の欠失、exonXIの5^1側の一部の欠失、およびexonXのNO全域とexonXIの5^1側の一部の欠失が見られた。これら3つのスプライシング異型体は、長いものからそれぞれ、緬羊で報告されたLHレセプターmRNAのF、BおよびG formに相当するものであった。また黄体発育過程におけるA,FおよびG formの量的変化について準定量的RT-PCRを設定して実施した結果、排卵直後から黄体初期にかけて有意に増加し、さらに黄体初期から中期へ有意に増加するが、黄体中期と後期との間には有意差は認められなかった。またB fromは排卵直後から黄体初期にかけては有意に増加するが、その後は有意な変化は認められなかった。またLHレセプター量は排卵直後から黄体初期へは有意な増加は認めらず、黄体初期から中期にかけては有意に増加し、その後黄体中期と後期との間には再び有意差は認められなかった。 以上の成績から、牛のLHレセプターmRNAのスプライシング異型体は少なくとも3種類存在し、さらに4種のmRNA量は黄体発育過程において同調して増加することが示唆された。
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Research Products
(1 results)