1997 Fiscal Year Annual Research Report
家族性てんかんモデル犬におけるてんかん発生メカニズムの分子病理学的研究
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09760291
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森田 剛仁 鳥取大学, 農学部, 助手 (70273901)
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Keywords | てんかん / アストロサイト / 脳 |
Research Abstract |
てんかん家系犬における脳波測定により、てんかん波(spike&wave)が明らかにされ、また本家系犬は夜から朝方に全身性発作を発症することが多いから、ヒトのいわゆる夜型てんかん例のモデルになる可能性が高い。 抗glutamine synthetase抗体を用いた免疫組織学的検索により、正常脳では神経細胞の動きを支えるアストロサイトがglutamine synthetase(GS)を強く発現するが、本家系犬の大脳のそれは発現が弱かった。さらに正常脳のオリゴデンドロサイトはGSの発現が弱いか無いかであるが、本家系犬の大脳のそれは強く発現していた。このことから本家系の大脳のアストロサイトはGSの合成に以上があり,代償性にオリゴデンドロサイト、がGSを合成していることが推察された。GSは興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸を分解・処理する働きがある脳内不可欠の酵素である。よって、アストロサイトのGS発現の低下は、直接てんかん発作発生に関連してくると思われた。 今後、てんかん家系の発症犬,未発症犬および対象例の脳内料を用いたDifferential Display法による遺伝子の異常の検索を行う予定である。現在,各々のtotalRNAの抽出およびmRNAの精製はできており、実際にRT-PCR法によりcDNAを増幅し、各々の材料における差を見る段階にきている。
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