1998 Fiscal Year Annual Research Report
リポ多糖解析に基づくcoxiella burnetiiの分子疫学的研究
Project/Area Number |
09760295
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
村松 康和 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50254701)
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Keywords | Coxiella burnetii / SDS-PAGE / 乾燥濾紙血液 |
Research Abstract |
北海道のウシの生乳から、マウスを用いて継代・分離した2株のCoxiella burnetii、Nine Mile II相菌(American Type Culture Collectionより購入;ATCC VR-616)、Califonia株(同;ATCC VR-614)、およびPricilla株(岐阜大学;平井克哉教授より分与)を発育鶏卵卵黄嚢内接種により大量培養した。次いでWilliams,J.C.et al.(1981)の方法に従いRenografinの密度勾配を用いた遠心分離によりC.burnetiiを精製した。 得られたコクシエラの精製菌を用いてSDS-PAGEを行った。次いで銀染色、およびWesternblot analysis(WBA)により、本研究による分離菌と、既存の各菌株との蛋白、および抗原性状に関する比較を行った。 銀染色の結果、本研究で得られた分離株には、比較に用いたNine Mile H相菌株、およびCalifornia株と異なる、株特異な蛋白画分は認められなかった。また、用いた全てのコクシエラで全蛋白の泳動像に差異は認められなかった。これらの結果は、国内外における以前の報告を裏付けるものである。 抗コクシエラ・マウス血清を用いたWBAの結果、分離2株中、1株において、他のコクシエラとは異なる抗原性状が認められた。現在、糖鎖の性状について検討中である。 血液吸着濾紙により採取した見かけ上健康なネコの乾燥濾紙血液を用いて、間接蛍光抗体法、およびPCRを行った。その結果、今回初めてPCRにより乾燥濾紙血液からのコクシエラ、およびネコひっかき病の主要な原因リケッチアであるBartonella henselaeに特異なDNAの検出に成功した。この事は乾燥濾紙血液サンプルが広範囲にわたるコクシエラの疫学調査に有用であることを示している(現在投稿準備中)。
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