1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内タンパク質スタスミンの神経分化における役割の解明
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09770006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加納 安彦 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50252292)
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Keywords | スタスミン / 神経分化 / マウス / 発生 / in situ ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
二カ年計画の初年度として、スタスミン遺伝子・蛋白質の発生過程での発現を検討した。また、スタスミン蛋白質に対するペプチド抗体を作製した。 マウス胎生7.5日(E7.5)から11.5日胚でのスタスミンmRNAの発現をRT-PCRにより検討した。E7.5ではほとんど検出できず、E8.5以降発現量が増加していた. Stathminは発生過程の中枢神経系や末梢神経系で発現していることがすでに報告されているが、神経系の形成が始まる時期での発現については報告はなかった。今回、in situハイブリダイゼーションにより神経系の形成期に焦点を当て胚内での発現パターンを検討した。E7.5では非常に弱いシグナルが胚全体に認められたが、E8.5ではhead fold領域と体節にシグナルが認められた。脳では、E9.0に中脳背側で最初に発現が観察された。これはもっとも早く神経細胞が軸索形成を始める時期と一致する。その後、脳での発現領域は拡大し、E1O.5に前脳及び中脳の背側全体まで強い発現が確認できた。これらのことから、スタスミンmRNAは細胞分裂を停止し、最終分化の過程に入った神経細胞において発現しているのではないかと考えられる。免疫組織化学的な知見はまだ十分に得られていない。 蛋白レベルでの発現・機能を検討するために、スタスミン蛋白質のアミノ末端側(15残基-27残基)およびカルボキシル末端側(134残基-149残基)のペプチドを合成し、これをウサギに免役して抗血清を得た。マウス新生仔脳より抽出した蛋白質を用いてウェスタンブロッティング法により抗血清の抗体価を検討したところ、いずれのペプチドに対する抗血清も19Kd付近にシグナルを得ることができた。2000倍希釈にて使用することが可能である。
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Research Products
(1 results)