1998 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス小胞の開口分泌に関与する新しい分子のクローニングと機能の解析
Project/Area Number |
09770015
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
森川 吉博 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60230108)
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Keywords | サイトカイン / SNAP-23 / 尿細管上皮 / 肝細胞 / 増殖 / 分化 / 細胞膜 / 抗体 |
Research Abstract |
我々はIL-3/GM-CSF/IL-5のレセプター系でのシグナル伝達をより詳細に解析するためにmRNA differential display 法を用いてIL-3、GM-CSF、IL-5などで誘導される遺伝子を探索したところ、SNAP-23(synaptosome-associated protein of 23 kDa)のマウスホモログの遺伝子断片をクローニングした。SNAP-23遺伝子はIL-3、GM-CSF、IL-5のみならずIL-2やIL-10、LIF、SCF、EPO、G-CSFなどいろいろなサイトカインの刺激により種々の造血系の細胞において誘導された。また、種々の臓器でのSNAP-23 mRNAの発現状況をtissue blotにより検索した結果、脳と精巣ではその発現が非常に弱かったものの、心、肺、肝、腎など種々の臓器において広範に発現していた。そこで今回、種々の臓器で発現していたSNAP-23がいかなる細胞に発現しているのかをin situ hybridization法、および免疫組織染色法、免疫電顕法により検討した。 1. tissue blotにてSNAP-23 mRNAの発現量の多かった肝、腎においてin situ hybridization法を行ったところ、肝では肝細胞に、腎では尿細管上皮にシグナルを認めた。 2. SNAP-23のC末端のペプチドを用いて抗SNAP-23ポリクロナール抗体を作成し、免疫組織染色を行ったところ、肝細胞および腎尿細管上皮の細胞膜に強いシグナルを認めた。 3. 免疫電顕によりこれらのシグナルは主に細胞膜に認められた。 現在、その他の臓器においていかなる細胞がSNAP-23を発現しているか検討中である.
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