1997 Fiscal Year Annual Research Report
小脳小節および虫部垂小帯域の視運動眼反射制御における役割
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09770023
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伏木 宏彰 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00262519)
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Keywords | 小脳小節 / 視運動眼反射 / 登上線維入力 |
Research Abstract |
破壊実験から小脳小節は、視運動性後眼振の制御に関与している。小脳小節の視運動眼反射における役割および虫部垂の眼運動制御への関与の様式をニューロンレベルで解明することが本研究の目的である。 我々は、視覚パターンの移動刺激に対するネコ小脳小節のプルキンエ細胞複雑スパイクの反応性を調べた。ネコ小脳小節内で水平あるいは垂直の視覚刺激に対して反応するプルキンエ細胞を同定した。反応細胞の至適反応速度は、小脳片葉と同様に低速度(1-20°/s)であったが、片葉に比べると反応性は強くなかった。視覚刺激に対して反応しない細胞も多くみられた。本研究は、非動化の有無の点でネコ小脳片葉において前回我々が調べた研究方法とは異なるが、片葉は大多数の細胞が視覚刺激に対して反応したのに対して、小節では反応性が片葉と比べ強くなかったことおよび反応しない細胞が多く認められたことは興味深い結果である。ネコ小脳片葉が下オリーブ核の吻側背側帽、腹側外側突出部および尾側背側帽のニューロンより登上線維入力を受けるのに対して、小節は、それらに加えて下オリーブ核のβ核および背内側細胞柱のニューロンからも登上線維入力を受ける。ウサギのβ核および背内側細胞株のニューロンは、前庭刺激および視覚刺激に対して反応する。ネコ小脳小節では、視覚入力を受ける領域は限られており、今回視覚刺激に対して反応しなかった細胞は、前庭入力に関与した領域であった可能性がある。さらに視覚刺激に対する反応細胞を同定し、その細胞局在を調べる必要がある。今後は、前庭刺激も行い、小節の微小域構造を明らかにする予定である。
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