1998 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流性カリウムチャネルの単一伝導度を規定する分子構造の解析
Project/Area Number |
09770029
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
長島 雅人 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20264525)
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Keywords | カリウムチャネル / 単一伝導度 / 分子構造 / 心筋 |
Research Abstract |
本年は昨年の研究に引き続き、まずはラットの心筋からKir2.2型の内向き整流性カリウムチャネル遺伝子の全長のクローニングを試みた。 方法はKir2.1型の時と同様に、RT-PCR法を用いて行った。その結果、心筋からクローニングされたKir2.2のシークエンスは、既に報告のあるラットの脳よりクローニングされたものとidenticalであることが判明した。同様にこの遺伝子を挿入したプラスミドDNAをテンプレートとして、in vitroでmRNAを作成し、アフリカツメガエル卵母細胞に発現させ、二本刺電位固定法により全電流を測定したところ、その電流はラット心筋のKir2.1型を発現させた時に得られたものと有意な差異は認められなかった。これらのことから、ラットの心筋にはKir2.1型とKir2.2型のチャネル両方が共存する可能性が考えられた。Kir2.2型の内向き整流性カリウムチャネルの単一伝導度は既に34pSと報告されており、ラット心筋には比較的低い単一伝導度(25pS)と高い単一伝導度(34pS)を持つ2種類の内向き整流性カリウムチャネルが共存することが示唆された。ここで、nativeのラット心筋では、発生過程において、胎生初期は単一伝導の低いチャネルのみであるのに、胎生後期には単一伝導度の高いチャネルが多く出現してくるという過去の報告に着目した。即ち、もし、そうだとすれば、分子生物学的には胎生早期と後期では、Kir2.1型とKir2.2型のチャネルに発現量の違いが見られるのではないかと考えた。 そこで、実験計画を少し変更し、まずはKir2.1型とKir2.2型のmRNAの発現量が胎生時期により異なっているかどうかを、RT-PCR定量法を用いて検討した。予備実験においては、nativeチャネルでの胎生期の変化をmRNAの発現量の変化により説明できるような結果が得られている。今後はこの実験の再現性を確かめるとともに、引き続き単一伝導度と分子構造の関係を追求していきたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naomasa Makita: "A de novo mossense mutation of human cardine Na channel exhibiting novel molecular mechanisms of long QT syndrome" FEBS Letter. 423(1). 5-9 (1998)
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[Publications] Yoichi Yamada: "Characeristics of current flactuations originating from activities of inward-rectifier K channels in guimea-pig heart cells." The Journal of Membrane Biology. in press. (1999)