1997 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部サイトカインによって生じる痛覚過敏および鎮痛の発現機序と伝達経路の解明
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09770040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡 孝和 九州大学, 医学部, 助手 (60291514)
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Keywords | プロスタグランジンE2 / 痛覚過敏 / 鎮痛 / 視床下部 / EP,受容体 / EP_3 受容体 / 視察前野 / 腹内側核 |
Research Abstract |
インターロイキン1β(IL-1β)をラットの視床下部の内、視索前野(POA)に投与すると痛覚過敏が腹内側核(VMH)に投与すると鎮痛が生じる。これらの反応はシクロオキシゲナーゼ阻害剤で消失するのでプロスタノイド依存性の反応である。視床下部では、IL-1βはプロスタノイドの内、プロスタグランジンE2(PGE2)の産生を特異的に促すので、本研究では、PGE2が視床下部で痛覚をどう修飾するのか、また、その反応はどの受容体を介して生じるのかについて検討した。 実験には雄ウイスターラットを用いた。実験1週間前に麻酔下でガイドカニューレとスタイレットを目的とする核の1.0mm上まで埋め込んだ。実験当日、薬物0.2μlを視床下部の内、POA、室傍核、VMH、外側野に局所投与し、ホットプレートテストを用いて侵害受容の変化(後肢の払いのけ動作を開始するまでの潜時、paw-withdrawal latency)を観察した。EP1,2,3レセプターアゴニストとして17-phenyl-ω-trinor PGE2、butaprost、M&B28767を、EP1レセプターアンタゴニストとしてSC19220を用いた。 PGE2(5-50fg)とM&B28767(0.05-5fg)をPOAに投与すると15分後にpaw-withdrawal latencyの短縮が、PGE2(5-500pg)と17-phenyl-ω-trinor PGE2(500 pg)をVMHに投与すると5-10分後にpaw-withdrawal latency の延長が認められた。また、PGE2(500 pg)をVMHに投与したときに生じるpaw-withdrawal latencyの延長はSC19220(150 ng)の同時投与により消失した。したがって、IL-1βはPOAでEP3受容体を介して痛覚過敏を、VMHでEP1受容体を介して鎮痛を生じると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takakazu Oka: "Biphasic modulation in the trigeminal nociceptive neuronal responses by the intracerebroventricular prostaglandin E2 may be mediated through different EP receptors subtypes in rats." Brain Research. 771. 278-284 (1997)
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[Publications] Masako Hosoi: "Prostaglandin E receptor EP3 subtype is involved in thermal hyperalgesia through its actions in the preoptic hypothalamus and the diagonal band of Broca in rats." Pain. 71. 303-311 (1997)
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[Publications] Kae Oka: "Prostaglandin E2 may induce hyperthermia through EP1 receptor in the anterior wall of the third ventricle and neighboring preoptic regions." Brain Research. 767. 92-99 (1997)