1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経内分泌系における一酸化窒素合成酵素遺伝子の発現調節因子についての検討
Project/Area Number |
09770046
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 講師 (10232745)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / 遺伝子発現 / 視床下部 / NADPHジアホラーゼ染色 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究は神経内分泌系における神経型NO合成酵素遺伝子の発現とNO合成酵素活性をIn situ hybridization法およびNADPH-ジアホラーゼ組織科学染色法を用いて調べることで、神経内分泌系のNOの役割について解明することを目的とする。 高張食塩水負荷および脱水刺激によりNO合成系が亢進するが、糖尿病における高血糖、高浸透圧状態ではどうなるかを実験糖尿病モデルラットを用いて検討した。ウイスター系雄ラットを24時間絶食後、ストレプトゾトシン(80mg/kg体重)を腹腔内に投与して4週間後に断頭して視床下部室傍核及び視索上核における神経型NO合成酵素遺伝子発現及びNADPH-ジアホラーゼ染色を検討したところ、著明に増加していた。インシュリンを1週間皮下投与するとこれらの変化はコントロールレベルとなった。さらに、フロリジン投与により血糖値を正常化すると室傍核及び視索上核における神経型NO合成酵素遺伝子発現の著明な増加はコントロールレベルとなった。したがって、糖尿病モデルラットにおける高浸圧状態が室傍核及び視索上核における神経型NO合成酵素遺伝子発現を亢進させることが明らかとなた。 次に、非浸透圧刺激であるHypovolemia時の場合について調べた。ポリエチレングリコールをラット腹腔内に投与して3時間後及び6時間後に断頭して室傍核及び視索上核における神経型NO合成酵遺伝子発現及びANDH-ジアホラーゼ染色を検討したところ、6時間後には有意に増加していた。したがって、非浸透圧刺激においては脳内上行経路を賦活することにより室傍核及び視索上核におけるNO合成を亢進させるものと思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Serino,R.,Ueta,Y.et al.: "Upregulation of hypothalamic nitric acide syhthase gene expression instreptozotocin-induced diabetic rats." Diabetologia. (in press).
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[Publications] Ueta,Y.et al.: "Hyporolemid upregulates the expression of neuronal nitric oxide" Brain Research. (in press).
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[Publications] Ueta,Y.et al.: "Neuronal nitric oude synthase gene expression in human pituitroy fumours : a possible association with sonatotroph adenomas and grooth hormone-releasing hormuau gene expression" Clinical Endocridogy. (in press).
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[Publications] Yamamoto,Y.,Ueta,Y.et al.: "Upregnlation of neuronal NOS mRNA in the PVNand SON of imherited diaketes insipidus rats." Neuro Report. 8. 3907-3911 (1997)