1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770075
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高宮 考悟 大阪大学, 医学部, 助手 (40283767)
|
Keywords | 平滑筋細胞 / ES細胞 / 初期発生 / 中胚葉 / 分化 / 平滑筋型α-アクチン / カルデスモン |
Research Abstract |
まず、現在までにES細胞を用い神経、骨格筋細胞への分化系培養が報告されているため、これを参考とし平滑筋細胞への分化系培養を試みた。一定期間細菌培養用ペトリデッシュにて浮遊培養(aggregation culture)を行った後、細胞を通常の細胞培養用ペトリデッシュへ移し接着させた。その後、数日の培養を行い、各種平滑筋細胞のマーカー蛋白質に対する抗体を用い、ウエスタン解析と細胞染色を行い結果を検討した。この培養期間中、各stageの培養時間や、分化刺激として添加するretinoic acid,DMSO等の添加時期、濃度等の条件を検討した。その結果、低濃度のretinoic acidを用いることにより多くの細胞が平滑筋細胞のマーカー蛋白である平滑筋型α-アクチンを発現することがわかり、他のマーカー蛋白質もin vivoの発生における時間的な発現様式に従い発現していることがわかった。また、発生初期に発現が見られる中胚葉のマーカー遺伝子もRT-PCRを用い検出されたことより、ES細胞を平滑筋初期発生の研究モデルとして使用することが適当と思われる結果が得られた。しかし、それらの発現量や、分化型平滑筋細胞のマーカー蛋白質であるカルデスモンは、1-型を示していた。また、一部には平滑筋の形質を示さない細胞も混在しているため、なおこの細胞培養系において細胞のcloningを含め改良が必要であると考えらた。現在、各種培地、添加剤等の検討を行っている。また発生した平滑筋細胞が、確かに完全に分化した状態のものであるか、生理学的機能を含め検討中である。
|