1997 Fiscal Year Annual Research Report
6-ピルボイルテトラヒドロプテリン合成酵素(PTPS)の人工的破壊:脳内ビオプテリン欠損マウスの作成
Project/Area Number |
09770105
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
一瀬 千穂 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (10247653)
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Keywords | 6-ピルボイルテトラヒドロプテリン合成酵素(PTPS) / gene targeting |
Research Abstract |
PTPS targeting vectorの作成 この研究ではチロシン水素化酵素およびフェニルアラニン水素化酵素の補酵素であるビオプテリン(BH4)の合成に関わる6-ピルボイルテトラヒドロプテリン合成酵素(PTPS)をconstitutive knock outで破壊し、一方肝臓では肝特異的プロモーターを利用してPTPS活性をrescueして神経系でのみBH4の不足をきたす特異な病態マウスを作成することを目的としている。マウスPTPS遺伝子のエクソン1から4を含む10.2kbのgenomicDNAのうち、プロモタ-と開始メチオニンをコードするエクソン1を含む0.7kbをpgk-neomycine耐性遺伝子で置換し、5'側にMCI-diphtheria toxin A fragmentを付加したvectorを作成した。このvectorを電気穿孔でES細胞に導入し、neomycineで選択した。その結果150個のneomycine耐性クローンを得、現在southern hybridization法によりrecombinantの同定を行っている。 今後の計画 目的のhomologous recombinationを生じたES細胞より、集合法によりキメラマウスを作成する。germ line transmissionが生じてPTPS遺伝子のalleleの一本を破壊したヘテロ接合体が得られれば、これを交配してhomozygote(PTPS完全欠損マウス)を作成し、そのphenotypeを解析する予定である。このマウスはヒトの異型フェニルケトン尿症に相当し、同様の症状を発症することが期待される。肝臓でPTPSを発現させるためのpromoter、およびカテコールアミンニューロン特異的に目的遺伝子を発現させるためのpromoterについては引き続き検討中である。
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