1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規水・電解質代謝調節因子ウログアニリンの機能解析と病態生理学的意義の解明
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09770107
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
宮里 幹也 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 室員 (50291183)
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Keywords | ウログアニリン / グアニリン / グアニル酸シクラーゼ / 水・電解質代謝調節 |
Research Abstract |
1)ヒトuroguanylin遺伝子の構造決定とプロモーター領域の機能解析 既にクローニングに成功しているヒトuroguanylin cDNAをプローブとして、ヒト胎盤遺伝子ライブラリーより、cDNA全長をカバーするゲノムDNA断片をクローニングし、その構造を決定した。ヒトuroguanylin遺伝子は約2.5kbの範囲に存在し、guanylin遺伝子と同様に3つのexonから構成されており、mature peptide部分はexon 3に含まれていた。5'-隣接領域には、TATAおよびCAATboxを認め、AP-1,AP-2,Sp1,CREの転写調節因子のコンセンサス配列が存在した。また、ヒト大腸癌細胞株でuroguanylin遺伝子が発現していることを確認しており、この培養細胞系およびクローニングしたuroguanylin遺伝子プロモーター領域を用いて、uroguanylin遺伝子の発現調節機構の解析を進めている。 2)実験動物のuroguanylin cDNAのクローニングおよびジーンターゲッティングによる機能解析 ラット小腸cDNAライブラリーからラットuroguanylin cDNAのcloningに成功し、その全塩基配列を決定した。ラットuroguanylin cDNAは、全長約530baseで、106アミノ酸よりなる前駆体をcodeしていた。ヒトとラットuroguanylin前駆体のアミノ酸相同性は63%であった。ヒトuroguanylin cDNAとの比較により、ラットuroguanylinのmature formは15アミノ酸よりなると推察され、合成ラットuroguanylinは、T84細胞を用いたbioassayにて、実際に生理活性を有していた。Northern blotを用いて遺伝子発現を解析した結果、uroguanylin遺伝子は主として腸管に発現していたが、guanylin遺伝子の発現を認めない胃,腎臓,膵臓,肺においてもuroguanylin遺伝子は発現しており、両ペプチドは、個々の発現調節を受け、異なる生理的役割を担う可能性が示唆された。さらに、ラットuroguanylin cDNAをプローブとして、マウスuroguanylin cDNAおよび遺伝子のクローニングにも成功しており、今後マウスuroguanylin遺伝子のtargeting vectorを構築し、相同組み換えを用いたgene targeting法によりuroguanylin geneのノックアウトマウスを作製し、uroguanylinの機能解析を進める。
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