1997 Fiscal Year Annual Research Report
機能欠損レセプター分子を用いたがん治療法開発のための基礎的研究
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09770146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 玄 大阪大学, 医学部, 助教授 (40243258)
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Keywords | がん治療 / 血管新生 / 可溶性レセプター / VEGF / bFGF / TNF-α / ウロキナーゼ |
Research Abstract |
がん細胞はその増殖が進めば進むほど栄養を要求し、そのため新たな血管新生を誘導する。すなわち、がん細胞自身が分泌するVEGFやbFGF等の血管内皮細胞増殖因子、腫瘍組織内に浸潤した免疫担当細胞が出すTNF-α等のサイトカイン、また、血液中のフィブリン等の線溶凝固因子が、パラクラインに血管内皮細胞を刺激し、同細胞の増殖と管腔形成をもたらす。したがって、機能や作用点が異なるこれらの液性因子群の作用を逐次遮断すれば血管新生が抑制され、がん組織の縮小と進行・転移の阻止が期待される。今回、これら因子と特異的に結合し、その作用を中和する欠損型可溶性レセプターをそれぞれ合成した。まず、血管内皮細胞増殖因子であるVEGFとbFGF、マクロファージの分泌する血管内皮細胞活性化因子であるTNF-α、およびフィブリン活性化因子のひとつであるウロキナーゼにたいする欠損型可溶性レセプターcDNAを、それぞれヒト胎盤由来mRNAから合成した。次に、これらを、哺乳動物発現ベクターに挿入し、COS7細胞での発現を試みた。今回、可溶性VEGFレセプターの発現を確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kondoh,G.: "Coexpression of multiple Sertoli cell and Leydig cell marker genes in the spontaneous testicular tumor of F344rat:evidence for phenotypical bifurcation of the interstitial cell tumor." Jpn.J.Cancer Res.88. 839-845 (1997)
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[Publications] Ishiwatari,H.: "Suppression of tumor growth by the 3′untranslated region of mel-18 in 3Y1 cells transformed by the E6 and E7 genes of human papillomavirus type 18." Cancer Lett.117. 57-65 (1997)