1997 Fiscal Year Annual Research Report
新奇な慢性肉芽腫症で発見された好酸球特異的CYBB遺伝子発現機構の解析
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09770152
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
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Keywords | シトクロームb558 / CYBB / 好酸球 / 遺伝子発現 / 慢性肉芽腫症 |
Research Abstract |
まずシトクロムb558重鎖(CYBB)遺伝子上流500bpまでのプロモーター領域に絞って転写調節領域及び因子の解析を行った。 1.機能的解析による転写調節領域の検索。 転写開始点を含む様々な長さのプロモーター領域融合させたルシフェラーゼ遺伝子を、好酸球性細胞株であるHL60-C15と単球性細胞株であるU937で一過性に発現させ、その発現レベルを比較した。その結果、両細胞に共通して正の調節部位として働く領域(CP領域)とHL60-C15でのみ正の調節部位として働く領域(EP領域)の存在が示された。現在これらの領域中のキ-配列を部位特異的変位法等により詳細に検討している。 2.DNA結合蛋白質の解析。 それぞれの調節部位に結合する転写調節因子を解析するために、これらの部位を含むオリゴDNAプローブとHL60-C15及びU937の核抽出液を用いてゲルシフトアッセイを行った。その結果、CP領域にいおて1種の特異的DNA結合因子(C1)が両細胞の核抽出液中に検出された。現在その因子の結合するDNA配列を特定しその配列を基に既知の因子との相同性の解析を行うと共にこの因子の精製を試みている。一方、EP領域に関しては数種の特異的DNA結合因子が検出されているが、現在のところHL60-C15に特異的な因子は検出されていない。また、これらの解析中に転写因子GATAファミリーの特定のものがCP領域,EP領域以外の場所に特異的に結合することが明らかとなったので、現在このGATA結合がCYBB遺伝子プロモーター機能にどのような影響を及ぼすかを解析中である。
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