1997 Fiscal Year Annual Research Report
Sandhoff病モデルマウスの病態解明及び胎児期遺伝子治療の試み
Project/Area Number |
09770158
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山中 正二 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80264604)
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Keywords | Sandhoff病 / GM2蓄積症 / 遺伝子治療 / 胎児治療 / ノックアウトマウス / 動物モデル / Tay-Sachs病 |
Research Abstract |
この研究では1年目の計画はマウスの解析が主体であった。 1、rotorod試験 BM機器の7650型rotorodを使用し解析した。その結果角速度を一定にした時優位に差を認めたのは12週からであり、その差は週を追うごとに広がっていった。12週頃は外見上も動きの鈍さ、振るえの増強などの異常が何となく感じとれる頃で微妙な判定を要する時期であるが、rotorod試験で優位に差を認められ、その意味で評価できる。しかしNature Genet.11,170-176,(1995)に掲載されているような8週からの差は認められなかった。これは機種による違いや角速度の違いなどが考えられ検討の余地がある。 2、病理学的解析 時期による変化(特に胎児期)やアポトーシスをみる予定であった。今回、マウスがホモで維持出来ず、繁殖用のヘテロも子を生まなかった為解析が未だ終了していない。 3、遺伝子導入 アクチンをプロモーターにしhexb遺伝子の発現ベクターを作製した。これを妊娠マウスに尾静中し遺伝子導入法を一度試みたが、少なくともrotorodにおける改善、症状の改善は認められなかった。この理由は様々な可能性が指摘されうるが、落谷らにより開発された遺伝子導入法のデータが再現性に乏しいことが大きいと思われる。今後、追試や他の投与法による遺伝子導入を試みる予定である。 4、Tay-Sachs mouseの麻痺 Tay-Sachs病マウスはSandhoff病マウス同様GM2蓄積症のマウスであるが、マウスと人とのGM2代謝経路の違いにより症状を表さないとされていた。今回老齢化したTay-Sachs病マウスにおいて明らかな症状を呈することが解った。その症状は早いもので1才3ヵ月ごろより後脚の脚力低下として認められる。このモデルは成人型のTay-Sachs病にある意味では対応すると考えられ、現在病理学的に解析中である。
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