1997 Fiscal Year Annual Research Report
非病原性アメーバ株の形質変換による赤痢アメーバ病原性関連遺伝子の解析
Project/Area Number |
09770171
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐貫 潤一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90255571)
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Keywords | 赤痢アメーバ / アメーバ症 / 形質転換 / リポフェクション / リポソーム |
Research Abstract |
1.transient transfection 赤痢アメーバシステイン合成酵素遺伝子の5',3'非翻訳領域(NCR)及びルシフェラーゼ遺伝子(LUC)を用いてtransient transfection用のプラスミド(pCSLUC)を作製し、カチオニックリポゾーム及びエレクトロポレーションを用いて赤痢アメーバ栄養型に導入を試みた。カチオニックリポゾームはlipofectin,lipofectamine,DOPA,DATAP,DOSPER,fugeneなどを試みたが、唯一、lipofectamineだけが、高い導入効率を示した。至適導入条件は2-5μgのプラスミドをlipofectamine plusと混合した後、4-10μgのlipofectamineと複合体を形成させる。この複合体を1ml MEM中で37℃ 3時間虫体と反応させる。 2.stable transfection アクチンの上流域・下流域にネオマイシンリン酸転移酸素IIを挿入したカセットを上述のpCSLUCに挿入し、stable transfection用のプラスミドを作製した。上記の至適化された条件を用いてtransfectionを行い、24時間後にG418を1-10μg/ml加え、stable transformantを選択した。約3日後、野生株は全て死滅し、stable transformantが獲得された。stable transformantのルシフェラーゼ活性はtransient transfectionの100-1000倍であった。更に、G418濃度は50μg/mlまで増加させることが可能であり、薬剤濃度をコントロールすることでルシフェラーゼ活性を変化させることが出来た。 以上、予定されていたEntamoeba histolyticaのtransient並びにstable transfectionの系は初年度に完全に確立された。
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