1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770174
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大西 真 信州大学, 医学部, 助手 (10233214)
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Keywords | 緑膿菌 / 細胞毒素 / 毒素受容体 |
Research Abstract |
今年度は緑膿菌サイトトキシン(CTX)受容体分子の単離・精製を行うことを目標に以下の実験を行った。 膜表面ビオチン化リンパ球の界面活性剤処理後可溶画分にCTXを加え、CTXとそれに結合する分子とを架橋試薬により固定化し、抗CTX抗体を用いて免疫沈降をおこなった。沈降物をSDS-PAGEで分離後膜に転写し、ストレプトアビジン/アルカリ性ホスプァターゼ標識抗ストレプトアビジンを使ってCTX結合蛋白を同定を試みた。しかしながら、特異性および再現性に問題があり、今回使用した系の最適化が必要と考えられた。また、CTXは、GPI分子でアシカリングしている膜蛋白を介して標的細胞膜へ結合していることを示唆する知見を昨年度得たので、膜表面ビオチン化リンパ球のPI-PLC処理したのち同様の実験をおこなったが充分な結果は得られなかった。加えて,これまでの解析でPI-PLC処理により遊離した分子がCTXに結合可能である確証がえられなかった。特異性の問題を解決するためには結合能を失った変異毒素を作成し、解析のコンロールに使用することが結合蛋白の同定に重要であると考えられる。そこでPCRによるランダム変異法で変異毒素を得るためのスクリーニング法を確立した。これまで12種類の一アミノ酸残基置換活性低下変異毒素の取得に成功している。これらの性状解析を行うことで結合能低下毒素をえることが期待され、受容体分子の単離に利用できると考えられる。 本毒素に対する各種の培養細胞感受性を検討したが、これまでの解析のなかで最も感受性をしめすウサギ好中球に匹敵する高感受性細胞は見つからなかった。今後高感受性培養細胞を検索することが本研究の発展に必要と考えられた。
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