1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770194
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
前川 純子 国立感染症研究所, 細菌部, 研究員 (20238843)
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Keywords | レジオネラ / 細胞内寄生細菌 |
Research Abstract |
免疫力の低下している老人などに重篤な肺炎を惹起するレジオネラは、環境細菌でアメーバなどの原生生物に寄生している。クーラーの冷却水塔や給湯設備がレジオネラに汚染されていた場合、それらから発するエアロゾルを吸入することによりレジオネラ感染がおこる。その際レジオネラは、本来食作用もち、生体にとって異物を排除する働きをもつマクロファージの中で増殖するという特徴がある。我々は、マクロファージの殺菌因子の1つであるスーパーオキサイドを消去するレジオネラのスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)の研究を行ってきた。レジオネラのCu,Zn-SOD破壊株作出の過程で、Cu,Zn-SODの変異にはよらない、マクロファージ内での増殖能の低下した株を多数得た。複数の研究室で、継代培養によりマクロファージ内での増殖能が低下した株が得られているが、それらの株が増殖能が低下するとともにナトリウム耐性になっていた。ところが、今回得られた変異株がナトリウム感受性のままであった。したがって、今回得られた変異株は、未知の病原因子に変異が生じている可能性が高い。そこでこの変異株を解析することにより、新規の病原因子を同定し、レジオネラのマクロファージ内での生存および増殖のメカニズムを明らかにしようと考えている。これらの変異株はallelic exchangeの過程で得られたものであり、染色体に生じた何らかのrearrangementにより、変異が生じている可能性が高い。そこで、変異株染色体のパルスフィールド電気泳動を行い、野生型と比較したが、大規模な染色体の再編成は認められなかった。現在は、変異株染色体と野生株染色体とをRLGS(Restriction Landmark G enomic Scanning)法を用いて比較するため、実験条件の検討を行っている。
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Research Products
(1 results)