1998 Fiscal Year Annual Research Report
IL-12の発現調節及び作用機序に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09770212
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
善本 隆之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80202406)
|
Keywords | IL-12 / NF-kB / EBウイルス / LMP1 / B細胞 / トランスフォーメーション |
Research Abstract |
以前よりEpstein-Barrウイルス(EB)ウイルス感染とIL-12発現は相関していることが示唆されているが、直接的関係の検討は未だなされておらず、今年度はこれらの点について検討した。まず、ヒト抹消血よりPrimary B細胞を精製しin vitroでEBウイルス産生細胞の上清と混ぜ感染させた後培養を行った。1-2週間するとB細胞が形態的にもトランスフォームし増殖してくるが、このころからEBウイルスの膜蛋白の一つであるLMPlの発現も見られるようになり、それに伴い培養上清中にIL-12p40産生が恒常的に検出された。こうして確立されたEBウイルスでトランスフォームしたB細胞では、IL-12p40とp35およびIL-12レセプターβ1とβ2の発現が増強されており、さらにPMAで刺激するとp40およびp35のmRNAレベルでの発現増強に伴いその培養上清中に蛋白レベルでIL-12p70も検出されるようになった。最近、LMPlが、活性型CD40と類似した構造を持ちNF-κBを活性化する能力かあることが報告された。以前、我々はCD40を介した刺激によりNF一κBが活性化されp40発現が誘導されることを明らかにした。そこで、ヒトB細胞リンパ腫瘍株Daudi細胞にLMPlの発現ベクターをトランスフェクトすると、NF-κBの活性化と共にp40産生が誘導されることが明らかになった。以上より、B細胞をin vitroでEBウ,イルスに感染させトランスフォームさせると恒常的にp40産生が誘導されること、この時、p40発現誘導にLMPl発現を介したNF-κBの活性化が関与していることが示唆された。EBウイルス感染によるIL-12発現誘導の意義としては、IL-12がEBウイルス感染B細胞の細胞増殖因子様として機能している可能性と、反対に宿主のCTLによる免疫監視機構の増強に効いている可能性の二つが考えられ、現在検討中である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] T.Yoshimoto: "Interleukin-12 expression in B cells by transformation with Epstein-Barr virus." Biochem.Biophys.Res.Commun.252. 556-560 (1998)
-
[Publications] T.Yoshimoto: "Reduced Th1 responses in interleukin-12 p40 transgenic mice." J.Immunol.160. 588-594 (1998)
-
[Publications] T.Yoshimoto: "A pathogenic role of IL-12 in Plasmodium berghei NK65 infection." J.Immunol.160. 5500-5505 (1998)
-
[Publications] T.Yoshimoto: "IL-12 dependent mechanisms.in the clearance of blood-stage murine malaria Plasmodium berghei XAT,an attenuated variant of Plasmodium berghei NK65." J.Infect.Dis.177. 1674-1682 (1998)
-
[Publications] H.Nagase: "Novel mutant mice secreting soluble CD4 without expression of membrane-bound CD4." Eur.J.Immunol.28. 403-412 (1998)
-
[Publications] M.Shimizu: "Antitumor activity exhibited by Fas ligand(CD96L)overexpressed on lymnphoid cells against Fas^+ tumor cells." Cancer Immunol.Immunother.47. 143-148 (1998)
-
[Publications] T.Yoneto: "Infect.Immun. in press" IFN-γ produced by CD4^+ T cells,not NO nor NK cells,are critical for the protective immunity to infection with blood-stage Plasmodium berghei XAT.,
-
[Publications] 喜本隆之: "バイオディフェンスシリーズ 3" IL-12の産生・活性の制御と感染における役割, 191-204 (1998)