1997 Fiscal Year Annual Research Report
種々の細胞膜レセプターからのシグナル伝達におけるGPIアンカーの役割
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09770218
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 一人 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60273702)
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Keywords | GPIアンカー / トランスアミダーゼ / GAA1 / GPI8 |
Research Abstract |
GPIアンカーをタンパク質に転移するステップに関与しているトランスアミダーゼは少なくともGAA1とGPI8の2つの遺伝子産物から構成され、そのうちの1つであるGAA1の機能はGPIアンカー付加シグナルの認識であることを明らかにした。 1、GPIアンカーをタンパク質に転移するステップに関与していると考えられるもう1つの酵母遺伝子GPI8(yGPI8)のヒトホモログ(hGPI8)をクローニングした。hGPI8は、395アミノ酸からなるタンパクをコードしていた。このタンパクは、yGPI8にコードされているタンパクと46%の相同性を持ち、疎水性プロフィールは非常に似ていた。 2、さらにヒト線維芽細胞ゲノムライブラリーよりhGPI8遺伝子をプラークハイブリダイゼーションにより単離した。このゲノムDNAをプローブとしてFISHによりhGPI8の遺伝子座を1p31と決定した。 3、GAA1とGPI8にそれぞれFLAGとGSTのタグをつけてCHO細胞に導入し、可溶化後抗FLAG抗体でGAA1を免疫沈降すると、GPI8が特異的に共沈してきたことから、2つの遺伝子産物は複合体を形成していることが明らかになった。 4、ヒトと酵母GAA1との間でキメラ分子を作成し、様々なGPIアンカー付加シグナルを認識できるかどうかを調べたところ、ヒトGAA1のC末側を酵母にすると酵母型の基質特異性を示したことから、GAA1のC末側にGPIアンカー付加シグナルの認識部位があることを明らかにした。
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[Publications] Tomita,S.: "A homologue of Saccharomyces cerevisiae Dpm1p is not sufficient for synthesis of dolichol-phosphate-mannose in mammalian cells." J.Biol.Chem.273(in press). (1998)
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[Publications] Kinoshita,T.: "GPI-anchor synthesis in mammalian cells:genes,their products,and a deficiency" J.Biochem.122. 251-257 (1997)
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[Publications] Hong,Y.: "Structure and chromosomal localizations of the glycosylphosphatidylinositol synthesis gene PIGC and its pseudogene PIGCP1." Genomics. 44. 347-349 (1997)