1997 Fiscal Year Annual Research Report
非古典的MHCクラスI抗原であるマウスTL抗原に対するCTLの機能解析
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09770230
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
辻村 邦夫 愛知県がんセンター, 免疫学部, 主任研究員 (10227407)
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Keywords | 非古典的MHCクラスI抗原 / TL抗原 / CTL / Fas / FasL / Perforin |
Research Abstract |
マウスTL抗原はMHCクラスIb分子群に属し、すべてのマウスの腸上皮と特定のマウス(A系やBALB/c)の胸腺T細胞に発現する。しかし正常胸腺にはTL抗原を発現しないマウス(B6やC3H)でも、Tリンパ腫の発生に伴いTL抗原を発現する。 H-2K^b遺伝子のプロモーターにより、B6由来のTL(T3^b)遺伝子を広範な組織に強く発現させたC3Hマウス(Tg.Con.3-1)の皮膚を、C3HマウスおよびA系マウス由来のTL(Tla^a-3)遺伝子を胸腺に発現するC3Hマウスに移植すると拒絶される。この移植片拒絶マウスから、TL拘束性のTCRαβ型CTLクローンを樹立して、その標的細胞特異性を検索したところ、TL陽性細胞すべてを傷害するもの(Type I)とTL陽性Con A blastsのみを傷害するもの(Type II)の2種類に大別された。Con A blastsとその他のTL陽性標的細胞の表面抗原を検索した結果、Con A blastsがFas陽性であったのに対し、他の標的細胞はFas陰性であった。さらに両CTL群の性格を比較した結果、(1)Type Iの傷害性がPerforin依存性であるのに対し、Type IIの傷害性はFasLおよびPerforin双方によること、(2)Type IIはType Iと同程度のPerforinを発現しているにも拘らず、その放出能はType Iに比べて非常に弱く、TCR/CD3を介したシグナルに加えてCon A blasts上に発現する補助分子との相互作用が必要であること、(3)Con A blasts以外のTL陽性標的細胞はType IIを刺激してFasLの発現を誘導するが自身がFas陰性であるため傷害されないこと、(4)Type IのCTL活性がCD8依存性/LFA-1非依存性であるのに対し、Type IIのCTL活性はCD8非依存性/LFA-1依存性であることが明らかとなった。
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[Publications] Minoru Yoshida: "Biochemical differences between staurosporine-induced apoptosis and premature mitosis." Experimental Cell Research. 232. 225-239 (1997)
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[Publications] Kunio Tsujimura: "Two types of anti-TL CTL clones with distinct target specificities : Differences in cytotoxic mechanisms and accessory molecule requiroments." Journal of Immunology. 160(印刷中). (1998)
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[Publications] 徳井俊也: "バイオマニュアルUPシリーズ 細胞生物学の基礎技術 細胞骨格 細胞運動へのアプローチ" 羊土社, 284 (1997)